2006 Fiscal Year Annual Research Report
PACAPの精巣特異的生合成調節機序とその生理的意義の解明
Project/Area Number |
18591032
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
宮田 篤郎 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (60183969)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和彦 鹿児島大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (30363641)
|
Keywords | 下垂体 / 神経ペプチド / 精巣 / 遺伝子発現 / 転写因子 / 内分泌 |
Research Abstract |
多機能神経ペプチドPituitary adenylate cyclase-activating polypeptide(PACAP)は、中枢神経系に分布する他、精巣にも比較的高濃度に存在しており、PACAPおよびそのレセプター発現が精子形成のステージにより周期的に変化する事から、生殖細胞の分裂増殖、分化あるいは生存への関与が示唆されている。我々は、ヒト精巣におけるPACAP遺伝子発現調節機構を解明する目的で、ヒトPACAP遺伝子において、精巣特異的PACAPプロモーター領域の同定と解析を行った。ヒトゲノム配列データベースにおいて、最近報告されたラット精巣特異的エクソンに対する相同配列を探索したところ、PACAP遺伝子の翻訳開始点から10.9kb上流に精巣特異的エクソン(hTE)を同定した。RT-PCRによりヒト精巣において、hTEを含むmRNAの発現を確認し、hTE上流領域の約1kbをクローニングした。この領域には、GATA、SRY、C/EBP、Oct-1、AML-1aや、TBP結合配列、そしてcapシグナルが含まれていた。この領域の様々な長さの欠失変異体を作成し、そのプロモーター活性を、非生殖細胞株(Swiss-3T3とPC12)と生殖細胞株(F9とCHO)において、ルシフェラーゼアッセイにより比較評価した。その結果、414〜589bpのTSP8領域において、非生殖系細胞株であるSwiss-3T3とPC12では見られなかったが、生殖系細胞株であるF9とCHOに、特に精巣由来細胞であるF9においては顕著な転写活性が観察された。この領域にはC/EBPとAML-1a配列が存在するが、これまで精巣特異的発現調節に関係する報告がないことから、未知の転写因子の関与が示唆された。今後ヒト精巣細胞において、同様に転写活性を検討、さらにエレメントを絞り込むとともに、ヒト精巣細胞より核蛋白を調製し、精巣特異的エレメント結合因子の性状解析をゲルシフトアッセイにて行う。
|
Research Products
(6 results)