2007 Fiscal Year Annual Research Report
高磁場MRSを用いた脳内アミノ酸神経伝達物質動態による気分、不安障害の解明
Project/Area Number |
18591291
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
住谷 さつき The University of Tokushima, 医学部・歯学部付属病院, 講師 (90346594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅史 徳島大学, 医学部, 教授 (20228654)
上野 修一 徳島大学, 医学部, 教授 (80232768)
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Keywords | グルタミン酸 / GABA / MRS / 気分障害 / 不安障害 / OCD |
Research Abstract |
不安障害および気分障害患者を対象に高磁場の3TMR装置を用いてプロトンMRSを撮像し、脳内アミノ酸神経伝達物質動態の定量を行い健常対照群と比較検討を行った。研究期間内に強迫性障害患者26人、パニック障害患者12人、うつ病障害患者6人、および健常対象者51人の撮像を終了した。高磁場MR装置を用いたことにより、低磁場装置では一括して定量されていたグルタミン酸とグルタミンを分離して評価することができたことに加え、これまで不可能であった脳内GABA濃度の定量も可能であった。強迫性障害患者については、前部帯状回におけるグルタミン酸の有意な低下がみられ、GABAに関しても健常対照群と比較して低下している傾向が見られた。この変化は服用中の薬物とは関連が見られなかった。左右の基底核においては脳内アミノ酸神経伝達物質の濃度に変化が見られなかった。また、不安障害、気分障害の患者においては解析に十分な患者数が得られなかったため、さらに被験者を増やし脳内アミノ酸神経伝達物質の濃度とそれぞれの疾患の臨床特徴や薬剤応答性との関連性の検討を行っている。 また、不安障害および気分障害患者に投与される抗不安薬の影響を検討するために、健常男性に抗不安薬の急性投与を行い、帯状回や基底核においてはその前後で脳内のアミノ酸神経伝達物質に変化がないという知見を得た。さらに、気分障害患者へ投与される炭酸リチウムの影響を検討するために、健常男性を対象に炭酸リチウムの慢性投与を行い、その前後において基底核のグルタミン酸が低下するという知見を得た。
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Research Products
(13 results)