2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591324
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺江 聡 Hokkaido University, 北海道大学病院, 准教授 (40240634)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 徹 北海道大学, 医学部, 教授 (80261361)
加藤 千恵次 北海道大学, 医学部, 准教授 (10292012)
黒田 敏 北海道大学, 大学病院, 講師 (10301904)
工藤 與亮 北海道大学, 大学病院, 助教 (10374232)
|
Keywords | MRI / susceptibility-weighted imaging / deoxyhemoglobin |
Research Abstract |
本研究の目的は、MRIを用いて脳の局所的な酸素摂取率(OEF)の計測を行うことである。 本年度は、susceptibility-weighted imaging(SWI)の手法を用いて、局所のdeoxyhemoglobin(deoxyHb)の計測を試みた。SWIによって、deoxyHb周囲の磁場の局所的な不均一性を計測し、deoxyHbを定量しようという試みである。最初に、正常者での脳の磁場不均一性を計測した。正常者では、deoxyHbは静脈血に含まれており、これにより、静脈周囲の磁場に局所的不均一性を生じる。この局所磁場不均一性は、正常者において、SWIで位相変化として計測された。また、SWIにおける静脈周囲の位相変化は、MRI装置内での頭の角度によって変化することが明らかになった。すなわち、MRI装置の静磁場の方向に対する、静脈の走行角度によって位相が変化する。そのため、位相情報を元にした定量評価には、静脈の走行角度を加味しなければならないことが明らかになった。この研究結果は、第34回日本磁気共鳴医学会大会(2006年9月14〜16日つくば)で発表した。 また、急性期脳梗塞患者1例で、SWIを用いて静脈周囲の位相変化を経時的に計測した。脳梗塞領域で、静脈周囲の位相変化が最も大きかった。この位相変化は、発症直後(14時間後)が最大であり、経時的(6日後、20日後、52日後)に減少した。急性期脳梗塞で、deoxyHbを定量でき、OEFが計測できる可能性が示唆された。 慢性の片側性の脳虚血患者1例でも、SWIを用いて静脈周囲の位相変化を計測した。慢性脳虚血領域での静脈周囲の位相変化は、正常側での位相変化と比べて、有意差が認められなかった。慢性虚血性病変においては、OEF計測には新たな撮像法の開発の必要があると思われた。
|
Research Products
(3 results)