2006 Fiscal Year Annual Research Report
フルオロチミジンを用いた悪性腫瘍に対する放射線・化学療法後のPET診断
Project/Area Number |
18591342
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中本 裕士 京都大学, 医学研究科, 助手 (20360844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐賀 恒夫 独立行政法人放射線医学研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (40273445)
東 達也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50324629)
溝脇 尚志 京都大学, 医学研究科, 助手 (90314210)
富樫 かおり 京都大学, 医学研究科, 教授 (90135484)
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Keywords | PET / FDG / 腫瘍核医学 / 画像診断学 |
Research Abstract |
FLTは多目的合成システムを使用していたが、経年による収量の低下(全く反応が進行しないことも含む)が問題となっていたため、反応器から減圧処理にて溶媒を除去するラインおよび各種電磁弁バルブ等を交換した結果、反応収量も3.1±1.4GBqと安定して得られるようになった。機器の更新後は、1週間以内にフルオロデオキシグルコース(FDG)を用いたPET検査を受け、手術が予定されていた10人に対してFLT-PET検査を施行した。これは、臨床で普及しているFDG-PET検査と対比することで、両検査の間でどの程度の所見乖離がおきるか、どちらの精度がより高いのかを検討するためである。症例は食道癌1例、中咽頭癌1例、下咽頭癌1例、肺癌2例、膵癌1例、子宮頚癌2例、卵巣癌1例、腹膜癌1例であった。10人のうち9人に対して手術が施行され病理組織学的診断が得られた。膵癌の1例は化学療法が継続されたため、臨床所見を最終診断とした。画像診断では28病変が疑われ、うち24病変が活動性のある悪性病変、4ヶ所の集積は良性と考えられた。感度、特異度、正診率、陽性適中率、陰性適中率は、FDG-PETで67%,25%,61%,84%,Il%であり、FLT-PETではそれぞれ50%,75%,54%,92%,20%であった。所見の乖離は7病変(25%)に見られた。うち5例の悪性病変は、FDG-PETでは4例が真陽性だったが、FLT-PETでは1例であった。また良性と考えられた2ヶ所の集積はFDG-PET偽陽性が1例、FLT-PET偽陽性が1例であった。以上の結果から、FLT-PETはFDG-PETと比較して偽陽性が少ない利点はあるものの、偽陰性の可能性があり、治療効果判定時には留意すべきと思われた。また、FLT-PETの陽性適中率は92%で、FLTの集積を認めた場合には活動性のある悪性細胞の存在が疑われる。
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