2006 Fiscal Year Annual Research Report
膵頭十二指腸切除術後の胃運動の非侵襲的評価ーリアルタイムMRイメージの利用ー
Project/Area Number |
18591480
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大森 浩明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20254782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川村 英伸 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20306004)
中嶋 潤 岩手医科大学, 医学部, 助手 (50364344)
佐々木 章 岩手医科大学, 医学部, 講師 (40275540)
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Keywords | cine MRI / 胃蠕動運動 / gastric motility index |
Research Abstract |
【背景および目的】我々は全胃幽門輪温存膵頭十二指腸術(PPPD)の術後消化管運動機能について、24時間内圧測定検査、ガストロシンチグラムにより評価を行ってきた。その結果、良性疾患では比較的早期に胃の各部位でIMCが出現すること、悪性疾患ではIMC phaseIIIの出現が遅れることを見出したが、いずれも侵襲的な検査であった。今回、放射線被曝がないcine MRIを用いて消化器外科手術後の胃運動を評価することを目的に、健常人ボランティアにcine MRI撮像を行い、胃の蠕動運動が画像上で観察可能であるかを検討した。【対象と方法】健常人ボランティア3名にお茶、ゼリー、粥食の3種類をそれぞれ摂取させ、その後冠状断cine MRI撮像を行った。撮影条件は、2D FIESTA、TR/TE=3.8/1.2ms, flip angle 45°、撮像時間は256phase、193sec.とし、画面上で胃収縮波の有無と発現頻度を観察した。【結果】全例に胃蠕動運動が観察できた。収縮波発現頻度の平均値は2.4回/min.で、今回の研究では、食事内容による発現頻度の差は認めなかった。胃蠕動波は胃体部から幽門輪の間で観測でき、3種類の中ではゼリーが比較的明瞭に蠕動波を描出できた。【結論および展望】健常人ボランティアによるcine MRIでは、胃運動は画面上で明瞭に観察可能であった。撮影した元画像から画面上で収縮の深さ(d)と移動距離(X)を計測し、蠕動速度(V=X/time)およびgastric motility index (GMI=V×d)の算出が可能と思われた。今後は、消化管手術後の機能評価としてcine MRI撮像を行い、直視下に胃蠕動運動を観察し、それぞれにGMIを算出して胃運動の定量化を実行していきたい。
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