2006 Fiscal Year Annual Research Report
大腸癌浸潤先進簇出巣のp16蛋白発現異常・遺伝子メチル化と予後・治療効果との関連
Project/Area Number |
18591494
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital |
Principal Investigator |
金澤 秀紀 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 統括診療部外科, 医員 (90265661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三富 弘之 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 研究検査科, 科長 (90181940)
渡邊 昌彦 北里大学, 医学部外科, 教授 (80146604)
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Keywords | 大腸癌 / 簇出 / p16INK4a / 遺伝子プロモーター / メチル化 / 予後規定因子 |
Research Abstract |
大腸癌浸潤先進部簇出巣(以下、簇出巣)とは、数個までの未分化な癌細胞より成る小胞巣状増殖巣を示した所見で、これまで研究申請者及びその研究グループは簇出が小型進行癌の特徴的な浸潤増殖パターンであり簇出高度例はリンパ節転移が高率で術後の肺転移再発率も高いことを報告した。そこで今回、患者背景調査にて予後観察可能なstageII以上の当院手術症例、大腸癌患者159例を検索し、癌浸潤度、リンパ節転移、脈管侵襲、TNMステージなどの臨床病理学的事項と予後因子(再発ないし死亡までの期間)の調査をおこなった。また、全症例の切除標本のHE標本を用いて、腫瘍先進部の簇出の程度を軽度、中等度、高度の3段階にわけて検討した。多変量解析の結果、簇出が大腸癌術後の独立した予後規定因子であることを見いだした。また摘出検体の正常粘膜を有する腫瘍組織で、p16INK4aの免疫組織化学的検索を行なった。さらに、ホルマリン固定パラフィン切片で、p16INK4aの免疫染色を追加した結果、多変量解析により腫瘍中心部のp16INK4a蛋白発現は予後に関与しないのに対し、簇出巣のp16INK4a蛋白発現が予後と関連することを新たに発見した。加えて、この159例のうち、大腸癌部のホルマリン固定パラフィン切片からDNAを抽出できた154例について、p16INK4aプロモーター領域のメチル化の定量的検出を行なった。この結果、p16INK4aプロモーター領域のメチル化が簇出とともに独立した予後因子である事を見いだした。
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