2006 Fiscal Year Annual Research Report
移植肺へのインターロイキン10経気道的遺伝子導入による拒絶反応抑制効果
Project/Area Number |
18591537
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
近藤 丘 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (10195901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 輔二 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (80281997)
岡田 克典 東北大学, 大学病院, 講師 (90323104)
星川 康 東北大学, 大学病院, 助手 (90333814)
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Keywords | 救命 / 肺移植 / 拒絶反応 |
Research Abstract |
1.ラット肺移植グラフトへの遺伝子導入法の検討 (1)摘出肺移植グラフトへのリポフェクション法による経気道的遺伝子導入 導入する遺伝子は、レポーター遺伝子として知られるβ-galactosidaseが組み込まれたプラスミド:pCMVβとし、カチオン性脂質を用いたリポフェクション法で行った。ラット肺移植モデルにて、レシピエントから摘出した肺移植グラフトの気管支断端より、プラスミドDNA-脂質複合体含む溶液を注入し遺伝子導入を行い、その後、左肺同所性移植を行った。 (2)X-gal染色による導入の確認 移植手術後3日目に移植した肺を摘出し、X-gal染色を行った結果、β-galactosidaseが発現していることが確認され、リポフェクション法による経気道的遺伝子導入が可能であることが明らかとなった。 2.インターロイキン10(IL-10)遺伝子を組み込んだプラスミドの作製とそのIL-10産生能の確認 pCMVβのβ-galactosidaseの部位にPCRにて得られたhuman IL-10(hIL-10)のcDNAを組み込み、プラスミド:pCMVhIL-10を作製した。A549細胞(ヒト肺癌細胞)へpCMVhIL-10をリポフェクション法により遺伝子導入したところ、培養上清にhIL-10が産生されることを確認した。 3.ラット肺移植グラフトへのIL-10遺伝子導入による拒絶反応抑制効果の検討 実験動物として近交系ラットを用い、Brown Norway(ドナー)→Lewis(レシピエント)のMHC不適合(拒絶反応モデル)の組み合わせで移植を行った。ドナーから摘出した肺移植グラフトに上記1-(1)の方法で、pCMVhIL-10を遺伝子導入した後に、左肺同所性移植を行った。移植後6日目に移植肺を摘出し、組織学的に拒絶反応の抑制効果を検討した。まだ、サンプル数の不足で、統計学的有意差を得るには至っていない。
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