2007 Fiscal Year Annual Research Report
短時間作用型β_1遮断薬術中投与による周術期心筋保護戦略を確立する
Project/Area Number |
18591707
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
北畑 洋 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (60161486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 修造 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサインス研究部, 教授 (60144945)
川人 伸次 徳島大学, 医学部歯学部付属病院, 講師 (60284296)
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Keywords | 短時間作用型β_1遮断薬 / 心筋保護作用 / ランジオロール / セボフルラン / プロポフォール / 冠動脈バイパス術 / 心筋虚血 / 心電図 |
Research Abstract |
短時間作用型β_1遮断薬ランジオロールの術中静脈内持続投与による心筋保護作用に対する麻酔薬による影響を心筋代謝、局所壁運動および心電図ST-Tトレド解析から検討した。 研究に同意の得られた予定心拍動下冠動脈バイパス術(OPCAB)患者41名を対象とし、プロポフォール群(P群、n=10)、プロポフォール+ランジオロール群(P+L群、n=11)、セボフルラン群(S群、n=10)およびセボフルラン+ランジオロール群(S+L群、n=10)に分類した。P群およびP+L群はプロポフォール4-6mg/kg/hrとフェンタニル(総量10-15μg/kg)で麻酔維持した。S群およびS+L群はセボフルラン1-3%とフェンタニルにて麻酔維持した。局所壁運動の連続的モニターと心電図のST-T解析を行った。麻酔導入前、手術終了直後、4時間後、18時間後に採血しトロポニンI、トロポニンT、CK-MB、HFABPをそれぞれ測定した。麻酔中8名の患者が心電図上心筋虚血エピソードを示した(P群、n=4;P+L群、n=2;S群、n=1;S+L群、n=2)。トロポニンIとトロポニンTは手術終了4時間後、CK-MBは18時間後、HFABPは手術終了直後をピークに全群ともに有意に上昇した。手術18時間後のトロポニンT値はP群がP+L群、S群、S+L群と比較し有意に高かった(P群、0.43±0.11;P+L群、0.17±0.03;S群、0.24±0.04;S+L群、0.21±0.02ng/ml、mean±SE)。 ランジオロールはプロポフォール麻酔下のOPCAB患者において心筋保護作用を示した。しかしプレコンディショニング作用を有するセボフルラン麻酔下ではさらなる心筋保護作用は認められないことが示唆された。
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Research Products
(3 results)