2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18591711
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
高崎 真弓 宮崎大学, 医学部, 教授 (30094212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 正彦 宮崎大学, 医学部, 講師 (70305085)
立山 真吾 宮崎大学, 医学部, 助手 (10372799)
指宿 昌一郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (70315381)
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Keywords | 局所麻酔薬 / 使用依存性ブロック / 細胞内濃度 |
Research Abstract |
硬膜外麻酔に使用するリドカイン濃度はブピバカインの4倍である。局所麻酔薬は,神経細胞膜を通って細胞内へ入り,イオン化して細胞内からナトリウムチャネルへ作用してブロックを起こす。リドカインの細胞内濃度はブピバカインの4倍であるかどうかを明らかにすることを目的とした。また,神経ブロックは,低頻度刺激に比べて高頻度刺激で起こりやすいと考えられているが(使用依存性ブロック),リドカインとブピバカインで同じように起こるかどうかを明らかにすることを目的とした。 アメリカザリガニの腹側神経索を摘出して,4つの神経節の中の第2/3神経節間の神経鞘を剥離し,測定槽に固定して,顕微鏡下にガラス電極を刺入した。測定槽の一方を刺激電極用に,一方を薬物灌流用にした。薬物の灌流に連続撹拌槽反応器を使用し,リドカインまたはブピバカイン濃度を徐々に増加させて60分間灌流したが,低頻度刺激で50分前後にブロックが起こるように濃度を設定した。0.017Hzまたは20Hzの電気刺激を与えながら誘発活動電位を記録し,消失する時点の細胞内濃度を測定した。 神経ブロックが起きる細胞内濃度と細胞内/外濃度比は,リドカイン低頻度刺激で3.71±0.95(SD)mMと34.0±8.9%,高頻度刺激で3.42±0.90mMと33.1±8.6%,ブピバカイン低頻度刺激で0.34±0.09mMと18.5±5.0%,高頻度刺激で0.21±0.06mMと17.1±4.5%であった。いずれの刺激においても,リドカインはブピバカインより有意に高値であった。 本研究で,神経ブロックを起こすときの細胞内リドカイン濃度はブピバカインより11 16倍も高いこと,細胞内/外濃度比はブピバカインよりリドカインで高値であること,頻度依存性神経ブロックはブピバカインで起こりやすいことが明らかになった。
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Research Products
(2 results)