2007 Fiscal Year Annual Research Report
循環ショックにおける肝臓の微小血管圧の測定法の確立
Project/Area Number |
18591730
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
芝本 利重 Kanazawa Medical University, 医学部, 教授 (90178921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 康孝 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (00267725)
高野 博充 金沢医科大学, 医学部, 助教 (70410313)
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Keywords | アナフィラキシーショック / エンドトキシンショック / 肝微小血管 / 門脈圧 / 肝循環 / 微小循環 / 肝血管収縮 / 肝細静脈圧 |
Research Abstract |
アナフィラキシーショックとエンドトキシンショックの肝微小血管圧の挙動をミクロピペット法で検討した。また、その前段階としてアナフィラキシー肝血管収縮の特性を明らかにする実験も行った。 (1)アナフィラキシーショック:卵白アルブミン(1mg)で感作した麻酔下ラットに抗原(0.6mg)を静脈内に投与して惹起した。ミクロピッペット法により肝細静脈圧を測定し、血圧低下時の門脈圧と下大静脈圧と比較した。同時に超音波クリスタルを肝臓の表裏に取り付け、肝臓の厚みを連続的に測定した。その結果、体血圧は118±8.9mmHgから45.3±4.0mmHgに低下し、門脈圧は11.1±0.9cmH_2Oから36.3±7.3cmH_2Oに上昇し、肝血管収縮が見られた。問題の内径30〜50(42±5)μmの肝細静脈の血圧は3.1±0.9cmH_2Oから1分後に8.8±1.5cmH_2Oに達した後、門脈圧の上昇がピークに達するころには抗原投与前値に戻っていた。肝臓の厚みは抗原投与前の96±0.3%にまで減少した。以上より、アナフィラキシーによる肝血管収縮はほとんどが肝細静脈より上流の門脈側の血管によることが示唆された。さらに、肝血管収縮時に肝内血液量が減少した (2)エンドトキシンショック:E.coli,エンドトキシン10から30mg/kgを麻酔下ラットの静脈内に投与した。その結果、体血圧は113±5.6mmHgから82.9±5.8mmHgに低下し、門脈圧は9.0±0.8cmH_2Oから14.8±1.1cmH_2Oに上昇し、肝血管収縮が見られた。内径30〜50(35±8)μmの肝細静脈の血圧は2.2±0.2cmH_2Oから3.1±0.5cmH_2O上昇後、投与前値に復した。このとき肝臓の厚みは投与前の97±0.4%にまで減少した。以上より、エンドトキシンショックによる肝血管収縮はアナフィラキシーショックと同様にそのほとんどが肝細静脈より上流の門脈側の血管によることが示唆された。さらに肝血液量も軽度減少することが判明した。
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Research Products
(8 results)