2006 Fiscal Year Annual Research Report
腎癌におけるインターフェロンαの感受性予測とペプチド導入増感療法の開発
Project/Area Number |
18591739
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
島居 徹 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (80235613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 和宏 愛知医科大学, 医学部, 講師 (60109759)
内田 和彦 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 助教授 (90211078)
樋之津 史郎 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 講師 (80323567)
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Keywords | 腎細胞癌 / インターフェロンα / 網羅的遺伝子解析 / マイクロアレイ / ペプチド導入 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
インターフェロンα(IFNα)に感受性あるいは抵抗性の腎癌細胞株における網羅的遺伝子解析でIFNα感受性に関わる候補7遺伝子を同定し、これらを腎癌細胞株において遺伝子発現量とIFNαの感受性との相関性を重回帰分析を用いて検討した。その結果、ADFP、MITF、MTUS1、TNNT1の4遺伝子による感受性(増殖抑制率)予測式が有用と考えられた。さらに他の樹立腎癌細胞株あるいは初代培養腎癌細胞においてIFNα感受性とこれらの遺伝子のRNA発現量を定量し、予測式が妥当であることを確認した。 4遺伝子の中で、単独の発現量がIFNα感受性と良く相関するのはMITFF遺伝子であったので、まずMITFをpcDNA3.1(+)を発現ベクターとして腎癌細胞株に遺伝子導入し、MITFの発現量の変化、IFNα感受性の変化を検討した。MITF遺伝子導入により、IFNα抵抗性株ではMITF発現量が増加し、野生株、mockに比較して、IFNα感受性が濃度依存的に増加が認められた。一方、野生株においてMITF発現の高い1FNα感受性株は遺伝子導入後もMITF発現、IFNα感受性ともに高く、有意な差は認められなかった。MITFはp16^<INK4a>やHIF-1αのプロモーター領域に結合しうる転写因子のひとつで、腎癌の発生進展に関わる可能性と細胞周期制御を通して増殖に関わる可能性が示唆される。以上よりp16の発現異常とMITF発現、IFNα感受性の低下に関する検討が必要と考え、p16発現、Rbリン酸化の有無の検討、さらにp16ペプチドの導入によるIFNα感受性の変化、細胞増殖の変化を検討する予定である。すでにペプチド導入用トランスポーターペプチド(Mol Cancer Ther 2004;3:1623)、FITC標識p16ペプチドの準備と腎癌細胞への導入のin vitro基礎検討を行い、良好な細胞内導入を確認した。
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