2007 Fiscal Year Annual Research Report
泌尿器癌の浸潤・転移におけるガレクチン-3の腫瘍制御機構の解明
Project/Area Number |
18591756
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡 夏生 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40335790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 博臣 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (10214446)
高橋 正幸 徳島大学, 医学部歯学部付属病院, 講師 (50325255)
福森 知治 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (10314874)
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Keywords | 浸潤 / 転移 / アポトーシス / ガレクチンー3 / TRAIL |
Research Abstract |
ガレクチン-3は癌の浸潤・転移に重要なkey蛋白の1つであり、泌尿器科癌に対するガレクチン-3のアポトーシスおよび血管新生等の腫瘍制御機構の解明については将来的な遺伝子治療の可能性を含んでおり臨床的にも大変意義深い。これまでのところわれわれは、microarrayを用いた腎細胞癌の網羅的研究において、腎細胞癌に共通して過発現している遺伝子群と予後予測に関わる遺伝子群を同定している。ヒト腎細胞癌組織、特に淡明型腎細胞癌組織では、正常実質部分と比較して有意にガレクチン-3の発現が高かった。また特に転移を有する症例では、癌組織のガレクチン-3の発現量と正常腎実質部分でのガレクチン-3の発現量の比が有意に高かった。同様に転移症例においてはガレクチン-3の発現量に比例して血管新生、TRAIL誘導性アポトーシスに関連した遺伝子の発現が増強していた。以上より、ガレクチン-3はhumanの腎細胞癌患者においては転移の予測因子となりうる可能性が示唆された。膀胱癌細胞株を用いたTRAIL誘導性アポトーシスの実験では、ガレクチン-3を過発現させた細胞株でactive Aktの発現が増強されることによってTRAILへの抵抗性の獲得に関係していた。またsiRNAによりガレクチン-3をノックアウトした細胞株の作成については、そのdown regulationの精度がやや低く約60%ノックダウン株での検討となったが、active Aktの発現はODレベルで約30-40%の減少が認められ、PI3K inhibitorsによるAktのdown regulationと同様に、TRAILへの抵抗性が減弱した。 今回使用した膀胱癌細胞株においては、細胞外へのガレクチン-3蛋白の分泌量に有意差はなく、血管新生、TRAIL誘導性アポトーシスへのdirectの影響は少ないと考えられた。
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Research Products
(10 results)