2007 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄移植および並体結合を用いた老人性難聴予防機序の検討
Project/Area Number |
18591895
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岩井 大 Kansai Medical University, 医学部, 准教授 (10232638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲葉 宗夫 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70115947)
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Keywords | ヘルパーT細胞 / CD4 / 老人性難聴 / モデルマウス / 胸腺 / 螺旋神経節 |
Research Abstract |
前年度は、並体結合や骨髄移植から発展した脾細胞接種による実験および胸腺移植による実験を行った。実験動物には引き続き早期老人性難聴モデルマウスであるSAMP1をホストとして実験を行った。その結果として当初の予定通り以下の成果(1)を得、また、新たに(2)の成果を得た。 (1)SAMP1の5-7ケ月齢(難聴が明確化する月齢)において、2ケ月齢のSAMP1から採取した脾細胞(リンパ球)を1.5ケ月の間隔を置いて2回接種した。群分けとしては、生理食塩水のみ接種する群(i)、脾細胞として全脾細胞(ii)・Tリンパ球(iii)・CD4^+Tリンパ球(ヘルパーT細胞)(iv)・CD8^+Tリンパ球(キラーT細胞)(v)・Bリンパ球(vi)をそれぞれ接種する群の合計6群を用意した。10ケ月例において聴力検査(聴性脳幹反応ABR)を行ったところ、CD4^+Tリンパ球を含む群(ii,iii, iv)において、難聴が進んでいないことが判明した。 (2)SAMP1の同じく5-7ケ月齢に対し胸腺を移植した。すなわち、このマウスが派生する元のマウス(早期老化や難聴を示さない)であるAKRマウスの胎児の胸腺を、血行の良いとされる腎被膜下に移植した。すると、上記と同様に難聴の進行が認められなかった。 SAMP1は早期に胸腺が萎縮しTリンパ球機能が低下するとされるが、CD4^+Tリンパ球の接種や、成熟Tリンパ球を安定供給させる胸腺移植が、SAMP1の螺旋神経節細胞萎縮による聴力低下を阻止すると考えられる。 今後こうした免疫学的方法が難聴予防に応用されるのではないかと考える。また、CD4^+Tリンパ球のサイトカイン分泌を含めた抗難聴・杭加齢作用機序存検討する必要がある。
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Research Products
(4 results)