2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト毛包由来細胞を用いたin vitro毛包再生の研究
Project/Area Number |
18591964
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三原 誠 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (90384833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 浩太郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60210762)
朝戸 裕貴 独協医科大学, 医学部, 教授 (20222581)
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Keywords | 再生医療 / 毛髪 |
Research Abstract |
ヒト毛乳頭細胞の遺伝子発現解析を、マイクロアレイおよびRT-PCRにより行った。マイクロアレイにより繊維芽細胞と比較したところ、ケモカインリガンドやインターロイキン、細胞周期関連遺伝子、プロテオグリンカンに有意な発現増強が認められた。またRT-PCRでは既知の毛乳頭細胞マーカー14種の遺伝子発現を検討したところ、繊維芽細胞と比較して2種の遺伝子で有意な発現増強、1種の遺伝子で有意な発現低下を認めた。これらの遺伝子群の毛乳頭細胞マーカーとして、毛乳頭細胞と繊維芽細胞を識別することが可能になった。 一方、ケラチノサイトが分化刺激により産生する液性因子を、サイトカインアレイを用いて検索した。80余種のケモカイン、サイトカインのうち、6種の物質の産生増加が認められ、これらが毛乳頭細胞の毛包誘導能を維持する候補物質であると考えられた。 また、ケラチノサイトからの液性刺激が毛乳頭細胞に与える遺伝子発現変化を、マイクロアレイにより網羅的に解析した。前述の毛乳頭細胞マーカーの一部はケラチノサイトの刺激により発現増強することがわかった。 また、毛乳頭細胞に表皮ケラチノサイトの分泌する液性因子を添加すると、これら毛乳頭細胞マーカーが発現増強することがRT-PCRでも確認された。 ケラチノサイトの液性因子をリコンビナント蛋白として毛乳頭細胞に与えると、一部は毛乳頭細胞に対して増殖を促し、また毛乳頭細胞マーカーの一部の発現を増強した。すなわち、生体における毛乳頭・ケラチノサイトの相互作用・シグナル伝達を担うと想定される物質の一部を特定することができた。
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