2007 Fiscal Year Annual Research Report
口腔レンサ球菌が産生する細胞溶解毒素の胆管上皮細胞に及ぼす影響
Project/Area Number |
18592003
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
弘田 克彦 The University of Tokushima, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (60199130)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 洋一郎 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (80136093)
根本 謙 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (10218274)
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Keywords | S.intermedius / 細胞溶解毒素 / インターメディリシン / 胆管上皮細胞 / CD59 / カルシウム振動 / 非アポトーシス / PTEN |
Research Abstract |
【目的】口腔細菌Streptococcus intermediusが、癌や糖尿病を有する患者の肝膿瘍に関わっていることが示唆されている。本菌は膜孔形成毒素(Intermedilysin;ILY)を産生する。ILYの受容体はラフトマーカーであるCD59である。我々は10〜40ng/mlのILYにより誘導される非アポトーシス型培養胆管上皮細胞死では、核収縮やオートファジー様構造が細胞死に先行してみられることを見出した。本研究は核収縮やオートファジー様構造を解析の糸口として、ILYにより誘導される胆管上皮細胞死の分子機構を明らかにすることを目的とした。【方法】核収縮には核膜近傍のCa^<2+>濃度上昇が重要とされているため、ILY刺激に伴う核膜近傍のCa^<2+>濃度上昇を、Fura 2-AMとFluo 4-AMを用いた蛍光カルシウムイメージング法で解析した。PTENの過剰発現はPI3K/AKT/mTOR経路を介したリン酸化カスケードの活性化を抑制しオートファジー誘導を引き起こすため、ILY刺激に伴うPTEN発現量の変化をウエスタンブロット法で検討した。【結果と考察】蛍光カルシウムイメージング法による画像解析より、ILY濃度10〜40ng/mlで刺激後5分以内に細胞核でCa^<2+>振動を伴う50〜400nMのCa^<2+>濃度上昇が見られ、細胞核で10分以上にわたり持続する細胞が見られた。核内で長時間持続するCa^<2+>濃度上昇は核膜崩壊を引き起こす誘因となると考えられる。PTENの発現量はILY濃度依存的に細胞内Ca^<2+>濃度が上昇するにつれて増加した。ILYにより誘導される非アポトーシス型胆管上皮細胞死には、細胞内で長時間持続するCa^<2+>振動を伴う50〜400nMのCa^<2+>上昇が関わっていると考えられる。
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Research Products
(3 results)