2008 Fiscal Year Annual Research Report
内在性アンチセンスRNAによるイオン輸送担体アイソフォームの発現および機能調節
Project/Area Number |
18592046
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
栗原 琴二 Meikai University, 歯学部, 講師 (10170086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 信夫 明海大学, 歯学部, 講師 (20118574)
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Keywords | アンチセンス / RNA / サイレンシング / イオン輸送担体 / アイソフォーム / Na^+-ポンプ / Na / K / 2Cl共輸送体 / 唾液腺 |
Research Abstract |
昨年度までの研究でantisense RNAsを簡便に検出する方法を確立し,ラット舌下腺にNa^+/K^+-ATPase α3のmRNAのみならず,そのアンチセンスRNAも存在することを明らかにした。そして,高週齢ラットに顕著に発現していることを明らかにできた。今年度はアンチセンスRNAの詳細な諸性質や構造の解析を試みた。ゲノムDNAの配列からmRNAに転写されない数百塩基上流部分に相当する種々のフォワードプライマーを用いて逆転写反応後PCRを行うと,理論的な増幅物ができた。よってアンチセンスRNAにはmRNAに転写されない部分(遺伝子上のTATAボックスより上流部分,ホルモンレスポンシブエレメント部分)に相当する部分が含まれる可能性が考えられた。また,内在性アンチセンスRNAの構造解析,正確な分子の大きさ,定量的な検出を行うためにノーザンブロットの確立を試みた。理論的にアンチセンスRNAに相補的な配列のプローブを多数作製しハイブリダイゼーションを試みたが,単一の強いシグナルを得ることができなかった。アンチセンスRNAは量的に検出限界以下のレベルなのか,単一の大きさを持っていないのか考察の域に留まった。一方,先で述べたようにアンチセンスRNAは高週齢ラットに顕著に発現していた。鍋島陽一博士等によってKlotho遺伝子の欠損が“早老症"になること(Nature 390,45,1997),さらにKlotho蛋白質はNa^+/K^+-ATPaseを細胞膜に移送させる機能を持つこと(Science 329,1615,2007)が報告されている。現在,高週齢で増加するNa^+/K^+-ATPase α3のアンチセンスRNAとKlotho遺伝子との関連性について検討中である。
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