2009 Fiscal Year Annual Research Report
内在性アンチセンスRNAによるイオン輸送担体アイソフォームの発現および機能調節
Project/Area Number |
18592046
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
栗原 琴二 Meikai University, 歯学部, 講師 (10170086)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 信夫 明海大学, 歯学部, 講師 (20118574)
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Keywords | アンチセンス / RNA / サイレンシング / イオン輸送担体 / アイソフォーム / Na-ポンプ / Na / K / 2Cl共輸送体 / 唾液腺 |
Research Abstract |
以前の研究で我々はアンチセンスRNAは高週齢ラットに顕著に発現していることを明らかにした。また,鍋島陽一博士等によってKlotho遺伝子の欠損が"早老症"になること(Nature 390, 45, 1997),さらにKlotho蛋白質はNa^+/K^+-ATPaseを細胞膜に移送させる機能を持つこと(Science 329, 1615, 2007)が報告されていたので,高週齢で増加するNa^+/K^+-ATPase α3のアンチセンスRNAとKlotho遺伝子との関連性について検討を行った。RNAを種々の大きさに分画し,それぞれの分画のRNAに対するアンチセンスRNAの挙動を調べた。唾液腺からRNAを単離,分画後,PCRのシステムに各分画RNAを添加すると,マイクロRNA分画がPCRの増幅に著しい抑制をかけることを見出した。マイクロRNAの抑制作用には明らかな雌雄差があり,雌から得たマイクロRNAが著しい抑制効果を示した。唾液腺のマイクロRNAが唾液腺蛋白質の翻訳調節に多大な作用を示す事実も見出すことができた。網状赤血球を用いたインビトロの系で蛋白質を翻訳させる際に,唾液腺のマイクロRNAを添加すると,著しい翻訳阻害が起こり,雄に比べ雌のマイクロRNAには強い阻害効果が認められた。唾液腺のマイクロRNAがmRNAへの転写過程または蛋白質翻訳過程を調節している可能性を示唆することができた。雌の唾液腺に含まれる強い翻訳抑制効果を示すマイクロRNAを明らかにするために,マイクアレイによる検索を行い,7種をピックアップすることができた。これらのマイクロRNAにはマイクロRNA^*で示されるアンチセンスのマイクロRNAの存在も示唆された。
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