2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592146
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
多田 充裕 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (30260970)
|
Keywords | 低出力レーザー / 関節リウマチ / 動物実験 / レーザー治療 / 炎症性サイトカイン |
Research Abstract |
本研究では、低出力レーザー照射の生物学的効果についてラットを用いたin vivo実験系を応用して実証することを目的とし、II型コラーゲンのブースター免疫による膝関節リュウマチの病態モデルを構築して低出力レーザー照射を行い、照射による炎症抑制効果について検討を行った。 実験動物はLewis系ラットを用い、初回感作としてウシII型コラーゲンを含むFreund'sAdjuvant Incompleteのエマルジョンを背部に皮内投与し、初回感作の7日後に同エマルジョンを尾根部より皮内投与して関節炎を発症させた。低出力レーザー照射装置はGa-Al-As半導体レーザー照射装置(松下電器産業)を用いた。レーザーの出力は2.2Wで総照射エネルギー密度は5J/cm^2であり、照射時間は500秒とした。動物は1群5匹として3群にわけ、第1群は無処置群、第2群はコラーゲン感作を行い数日おきにレーザー未照射で動物を固定するだけとしたレーザー未照射群、第3群はコラーゲン感作を行い数日おきにレーザー照射したレーザー照射群とした。実験期間中は、動物の一般状態を毎日観察し、週1回体重測定および関節部分の腫脹をノギスで測定し、頚静脈より血液を採取した。 その結果、無処置群に比較してコラーゲン感作を行った2群では足跡部に腫脹が発現した。腫脹は漸次増加し、感作後21日目の腫脹率は感作前の足容積の約140%を示した。その後レーザー照射を行ったところ、照射開始から14日目では、レーザー未照射群の腫脹率が92%、レーザー照射群の腫脹率が55%と、レーザー照射群で有意に腫脹が減少していた。また、炎症性サイトカインであるIL-1βおよびIL-6の血清中の濃度を測定したところ、レーザー未照射群に比較して照射群で低下していた。これらの結果より、低出力レーザー照射によって抗炎症効果が得られたものと示唆された。
|