2007 Fiscal Year Annual Research Report
NF-κBシグナリング制御による口腔癌に対するリンパ管新生阻止療法の開発
Project/Area Number |
18592221
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
東 雅之 The University of Tokushima, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (20144983)
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Keywords | 口腔癌 / VEGF / リンパ管 / 転移 / NF-κB / プロテアソーム阻害剤 |
Research Abstract |
ヒト口腔癌組織を用いて以下の検索結果を得た。 1.リンパ節転移を認める口腔癌症例5例リンパ節転移を認めない口腔癌症例5症例について、腫瘍組織におけるリンパ管数とリンパ管内皮細胞での細胞増殖のマーカーであるPCNA陽性細胞数を検索したところ、リンパ節転移を認める症例において、転移を認めない症例に比較して明らかにリンパ管数とPCNA陽性細胞数の増加が認められた。 2.前年度の研究成果より、NF-κBにより直接的に制御を受けているVEGFはVEGF-Aであることが明らかになったことから、ELISAによるVEGF-Aの発現量とリンパ節転移との関連性を解析したところ、リンパ節転移を認める5症例のうち3例においては高VEGF-A発現量を示したが、リンパ節転移を認めない5症例においては1例においてのみ高VEGF-A発現量を示した。このことから、口腔癌細胞におけるVEGF-Aの発現量とリンパ節転移との間には相関性のあることが推察された。 3.3例の新鮮口腔癌組織よりRNAを抽出後cDNAを合成することこより、各VEGFアイソフォームに対するプライマーを用いて定量性RT-PCRを行ったところ、2例においてVEGF-AmRNAの高発現が認められた。mRNAでの解析結果は、免疫組織化学的に解析した蛋白質レベルにおいても確認された。なお、VEGF-A mRNAでの高発現と癌組織内リンパ管数およびリンパ節転移との関連性については、症例数が少ないため、検討はできなかった。 4.口腔癌組織内におけるリンパ管数を増加させる諸因子の解析を、上記1にて検索した症例を用いて行った結果、患者の性、年齢、発生部位、Tステージ、Nステージ、腫瘍分化度、腫瘍浸潤様式のうち、腫瘍浸潤様式(Y-K分類)と緊密な関連性があることが示唆された。
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Research Products
(13 results)