2006 Fiscal Year Annual Research Report
再石灰化を誘導する自己修復機能材料の開発(バイオグラスの歯科材料への応用)
Project/Area Number |
18592226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 正則 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助手 (00337164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加我 正行 北海道大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (70125300)
八若 保孝 北海道大学, 大学院歯学研究科, 教授 (60230603)
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Keywords | バイオグラス / 石灰化 / 接着性レジン / グラスアイオノマー / 象牙質 / エナメル質 / 走査型電子顕微鏡 / 透過型電子顕微鏡 |
Research Abstract |
フッ素除放性レジンは歯質(エナメル・象牙質)との微小領域において再石灰化物を形成する実験的事実を申請者らは確認した(Dent Mater, in press)。その機序からバイオグラス含有レジンおよびグラスアイオノマーセメント(GIC)を試作し実験に供した。バイオグラスと微小領域を有する歯質試験片を作製し長期水中浸漬により石灰化物形成能を走査型(SEM)および透過型(TEM)電子顕微鏡により観察した。また機械的性質を圧縮試験により評価した。 それぞれ5、10、20および30%のバイオグラス含有のGICにおいては比較的早期に象牙質との間に再石灰化物の形成が観察された。とくに含有量が多い群において石灰化物が早期かつ多量に形成される特徴を呈した。また、形成された石灰化物は歯質(象牙質)と類似の電子密度が高い硬組織であることがTEM観察により明らかとなった。しかし、GICそのものの機械的物性がバイオグラスの含有量と比例して低下した。とくに30%含有群においてはほとんどのGIC試験片が水中浸漬により水に溶解した。また、同様のバイオグラス含有量をレジンに添加した場合は、石灰化物の形成は極めて緩徐であり、少量の石灰化物形成が認められた。しかしバイオグラス含有レジンの機械的強度は高く、長期水中浸漬後においても物性の低下はGICと比較すると軽微であった。これら実験結果からGICにバイオグラスを含有した場合、その高い反応性から早期に石灰化物を形成し、その石灰化物が修復材そのものの物性を低下させると推測された。またレジンに含有した場合はバイオグラスの反応性は低いため石灰化物の形成は少ないが、物性の低下も少ない。よって、バイオグラスの含有量と反応性の関係を明らかにし歯科的応用に適した修復材を作製する必要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)