Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 雅裕 福岡歯科大学, 歯学部, 准教授 (10253460)
内藤 徹 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10244782)
武内 哲二 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10148926)
山田 和彦 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (40289567)
鈴木 奈央 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (60372885)
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Research Abstract |
近年,口腔衛生状態の改善が誤嚥性肺炎の予防に効果的であることが証明されており,肺炎病巣から口腔内常在菌が分離されるとの報告もあることから,口腔内細菌の誤嚥性肺炎への関与が注目されている。なかでも歯周病細菌に代表される嫌気性菌の影響が疑われている。しかしながら,誤嚥性肺炎では複数の菌種が分離されるため,口腔内細菌が本疾患の病態にどのように関与しているかはまだよくわかっていない。本研究では,誤嚥性肺炎と口腔内細菌との関連をより明らかにするために,福岡歯科学園介護老人施設サンシャインシティと協力し,施設に入所する要介護高齢者の口腔内拭い液と喀疲を採取し,口腔内拭い液と喀疾からDNAを抽出し,代表的な歯周病細菌Porphyromonas gingivalis,Prevotella intermedia,Tannerella forsythia,Fusobaeterium SPP.,Treponema denticolaについてPCR(polymerase chain reaction)検出をおこなった。また,T-RFLP(terminal restriction fragment length polymorphism)法を用いて,上記以外の細菌や培養困難な細菌も含めて口腔内細菌叢パターンを比較した。その結果,今回6種類調べた歯周病細菌は,口腔内に存在している場合には喀疾にも存在していた。また,P.intermediaを除く4菌種は,口腔サンプルで未検出でも喀疾サンプルで検出されました。R.gingivalisについては6名中2名に口腔サンプルでは未検出にもかかわらず喀疾サンプルで検出された。また,同じサンプルから複数の歯周病細菌が同時に検出された。口腔サンプルと喀疾サンプルを比較してみると,共通するピークと特異的なピークとが認められた。また,ピークの相対的割合も口腔サンプルと喀疾サンプルで異なることがわかった。口腔内状態および全身の健康状態とT-RFLPのパターンを解析しデータを蓄積することによって,肺炎を引き起こす可能性の高い口腔由来の細菌を同定できると考えられる。また,同様の方法を用いて,高齢者、障害者の方に多く認められる口臭との関連性についても心理的,生活習慣的側面を踏まえて検討中である。
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