2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18592401
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kure University |
Principal Investigator |
松原 みゆき 呉大学, 看護学部, 助教授 (70330701)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梯 正之 広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (80177344)
河野 敬雄 広島修道大学, 経済学部, 教授 (90028134)
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Keywords | ターミナルケア / 主体的意志決定 / ゲーム理論 / 戦略 / 効用 |
Research Abstract |
本年度は「終末期看護にゲーム理論を適用した定式化の試み」の研究をさらに進める目的で以下を検討した。 (1)終末期看護に他領域で応用の進んでいるゲーム理論を両者の意思決定場面に適用し,その有用性を2人非協力ゲームから検討した結果を報告した。 (2)ターミナルケア場面を患者、看護師、家族らの小集団ととらえ、その関係を3人協力ゲームから見る可能性を検討した。そこでまず、ターミナルケアの現場を小集団社会学が適用できる「社会」として理論的に考察をすすめた。現実社会における行為者間の関係は非常に複雑である。例えば、患者や家族ら、医療スタッフなど多くの行為者が相互行為し、現象を生起させる。そこで家族という第三者を登場させた。つまりターミナルケア場面では、これら行為者間の関係に注目するときに、三人集団は最小でかつ典型的な関係であり、現象を説明するために有効と考えた。 そこで、社会学の視点から「小集団」として取り上げている例に医療は見当たらないが、医療現場における小集団、特に、患者、看護師、家族らの三者関係を考えると、単なる個人的相互作用の関係ではなく、松本(1934)の指摘する、自覚的、合理的、目的的、意図的特性を持つゲゼルシャフト的要素と、家族や友人ら感情的連帯のゲマインシャフト的要素がともにある、小集団として特徴付けるごとができるであろう。 ターミナルケア場面を患者、看護師、家族らの小集団ととらえ、その関係を3人協力ゲームから見る可能性を、中野(2004)は提携形の協力ゲームを用いて、三人集団が「1人対2人に分離するか否か」の回答に、コアの存在を利用し説明を試みた。 今後は、このようなデータの収集を行い、ターミナルケア場面を患者、看護師、家族らの小集団ととらえ、その関係を3人協力ゲームから見る可能性を検討したい。
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Research Products
(1 results)