2006 Fiscal Year Annual Research Report
虐待防止を目指したグループミーティングの継続参加の効果と支援能力の構造化
Project/Area Number |
18592412
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
清水 洋子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 講師 (90288069)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 健雄 東海大学, 医学部, 助手 (30366033)
|
Keywords | 母親 / 子ども / 虐待 / グループミーティング / 保健師 / 効果 |
Research Abstract |
1.平成14〜17年の先行研究(基盤研究(C)地域における子どもの虐待防止を目指したグループミーティングの効果に関する研究報告)を踏まえ、平成18年度はグループ支援の効果を保健所・保健センター計3機関において継続的に調査した。 内容は先行研究で開発した参加者の自記式チェックリスト(グループ参加による効果尺度)やフェイススケール、満足度等とした。対象はグループ参加の母親計39名、測定回数は参加初期と後(最高10回調査)であった。 結果、1)個人差はあるものの概ねグループ支援参加の効果が確認された、2)効果を確認することで参加者自身の振り返りができた、3)支援者として今後の支援の課題が具体化し、チーム間で共有できた、4)調査方法と内容の有効性・妥当性が再確認された、などが明らかになった。さらに、グループ参加中断者の分析を実施し、参加の動機づけの重要性や児の発達段階や疾病有無等とメンバー間の共感性との関係などが示唆され、メンバー選定や運営に関する課題が明確化した。 2.グループミーティングを用いた虐待予防の支援を市町村が実施できる体制を目指して、保健所は研修会を実施している。今回、2自治体の2ヶ所の保健所のスキルアップ研修に参加した市町村の保健師等職員(A機関27名、B機関18名)の研修効果を検討した。 結果、参加者は1)メンバーとしての立場を疑似体験することで、参加者の思いや立場の共感、自身の振り返りを体感できる、2)スタッフとしての立場や役割を参加観察あるいは徐々に自身が経験を積むことにより、グループダイナミクスの理解が深まる、グループおよび個別支援の役割の明確化、スキルアップ(グループ支援の具体的展開方法、個別支援の必要性と実施、グループ担当者と地区担当者および関係職種との連携・協働体制の強化等)の効果が確認され、これらは虐待予防のグループ支援に不可欠な要素であることが示唆された。
|