2007 Fiscal Year Annual Research Report
幼児・児童・生徒のふれあい・介護体験が認知症高齢者に与える影響に関する行動研究
Project/Area Number |
18592419
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
今川 真治 Hiroshima University, 大学院・教育学研究科, 准教授 (00211756)
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Keywords | 認知症高齢者 / 行動分析 / 幼児 / 児童・生徒 / ふれあい |
Research Abstract |
本研究は,幼児や児童・生徒および大学生等を,介護等体験やふれあい体験等で受け入れているグループホームや高齢者福祉施設において,これらの若年者との交流が,入居している認知症高齢者にどのような影響を与えうるのかを,高齢者の行動を分析することによって検証することを目的としている。 本年度は,昨年度に引き続き本研究に関連する先行研究や文献を検索し蓄積しながら,関連諸分野の研究者からの情報収集に努めたが,やはり当該分野に関係する先行研究はほとんど存在せず,当該分野におけるデータの集積が急務であると考えられる。 幼稚園へのアンケートやインタビューを行った中で,東広島市内にあるM幼稚園では,園の行事の一環として地域の高齢者を定期的に園に招いてお茶の会を催すなど,常日頃から高齢者と幼児たちとのふれあいの機会を設けているが,そのようなふれあいは,園児にとっても高齢者にとってもよい機会だと考えていた。しかし,M幼稚園を初めとしていずれの園においても,高齢者の生活する施設への訪問については,実施することが困難なようである。先行する研究において収集した,島原市のグループホームにおける高齢者の中学生とのふれあい時のビデオデータを解析したところ,ふれあい体験に訪れた中学生に対して,人見知りに似た回避的行動を示す高齢者がいた一方で,自ら積極的に関与しようとする行動を示す高齢者も存在した。重度認知症の高齢者の中には,日常的に人形を抱いて過ごしている人がいるが,見知らぬ子どもの接近に対しては,これを警戒するような反応が見られることもあり,対象者による変位が極めて大きいことが明らかにされつつある。
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