2006 Fiscal Year Annual Research Report
我が国におけるリバブル・シティ形成のための市街地再整備に関する地理学的研究
Project/Area Number |
18600006
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
山下 博樹 鳥取大学, 地域学部, 助教授 (00314568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 正 鳥取大学, 地域学部, 教授 (20165335)
伊藤 悟 金沢大学, 教育学部, 教授 (20176332)
堤 純 愛媛大学, 法文学部, 助教授 (90281766)
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Keywords | リバブル・シティ / 持続可能性 / 市街地再整備 / ノリッジ市 / イギリス / EU / ユーカリが丘 / 千葉県佐倉市 |
Research Abstract |
本研究課題は、平成16〜17年度に実施した山下を研究代表者とする科学研究費補助金による研究課題「成熟時代における都市圏構造の再編とリバブル・シティの空間構造に関する地理学的研究」で得られた成果を、日本の都市に応用するための検討を主目的としている。前課題では、リバブル・シティとして評価の高いカナダ・バンクーバーとオーストフリア・メルボルンのそれぞれの都市圏について、その整備政策と実際の都心や郊外タウンセンターの整備状況について調査した。その結果、両地域とも英国の都市計画思想の影響を強く受けた政策的特徴をもっていることが明らかになった。そこで、本課題では英国の都市計画思想を再検証しつつ、実際の都市で行われている市街地再整備の取り組みについてノリッジ市を中心に現地調査を行った。ノリッジ市は、EUが支援する「リバブル・シティ・プロジェクト」の中心となって自市の中心市街地再活性化に取り組み、衰退地区の再生などで優れた成果を挙げていることが明らかとなった。この調査結果は、2007年3月に日本地理学会春季学術大会(於東洋大学)で報告した。 他方、わが国での持続可能で住みよいまちづくりの実勢例として、千葉県佐倉市のユーカリが丘地区について現地調査を行い、次のことが明らかとなった。ユーカリが丘は、民間デベロッパーによって約25年前から宅地開発が進められてきたが、開発当初より成長管理政策を取り入れ、また私鉄駅の誘致とそれに接続する新都市交通システムを地区内に整備した。また、地区センターにはショッピングセンターやクリニックなどを誘致し、コンパクトで住みよい環境を形成している。さらに、保育所や福祉施設などを整備し、住民の多様な生活ニーズに応える取り組みを進めている。この調査結果は、2006年12月に人文地理学会都市圏研究部会(於放送大学鳥取学習センター)で報告し、その要旨は『人文地理』58-6に掲載された。
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