2007 Fiscal Year Annual Research Report
高校生および勤労者の睡眠不足による過眠に対する午睡導入の実証的研究
Project/Area Number |
18603010
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
内村 直尚 Kurume University, 医学部, 教授 (10248411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森田 喜一郎 久留米大学, 高次脳疾患研究所, 教授 (20140642)
橋爪 祐二 久留米大学, 医学部, 講師 (30333230)
土生川 光成 久留米大学, 医学部, 助教 (40343701)
小鳥居 望 久留米大学, 医学部, 助教 (60343696)
山本 克康 久留米大学, 医学部, 助教 (60368925)
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Keywords | 睡眠覚醒リズム / 不安 / 不眠 / 夜型 / 朝型 / 睡眠導入剤 / 抗不安薬 / 国家試験 |
Research Abstract |
【目的】医学部の6年生は11月末の卒業試験から国家試験の約2ケ月間は朝からの授業はなく,生活が不規則となり,夜型になりやすい。しかし,国家試験は9時30分から開始されるため夜型のままでは試験当日に実力を充分発揮できない可能性が高い。また,試験前日に不安や緊張のため入眠出来ないことも少なくない。 そこで,睡眠覚醒リズムの是正および試験前日の不安、不眠対策の国家試験への影響を検討した。【方法】国家試験1ケ月前に6年生に対して睡眠覚醒リずムを朝型に変えることの重要性を説明し,個人で是正できない場合は精神科外来を受診させた。27名が受診し,生活指導とともに睡眠導入剤あるいは抗不安薬を眠前に投与した。また,試験前日から3日間,6年生が宿泊するホテルに精神科医および内科医が待機宿泊し,対応した。さらに国家試験終了後に,学生に対して試験時の心境や医師の待機に関するアンケート調査を施行した。【結果】27名中19名は,睡眠覚醒リズムが後退していたため就寝前にゾルピデムを毎日服用させ,その結果,約2週間後には睡眠覚醒リズムを前進させることができ,全員試験に合格した。また,試験前日に不安、緊張が強く不眠を来たしやすい8名にはゾルピデムあるいはエチゾラムを前もって投与し,持ち越し効果や健忘などの副作用が出現しないことを確認した上で,試験前日に投与し良眠できた。この8名中7名は合格した。さらに試験前夜に新たに2名が不安,4名が不眠を,試験1日目の夜に2名が不眠を訴えたため,これら合計8名に対してアルプラゾラムあるいはゾルピデムを投与し,症状は改善し全員合格した。一方,学生に対するアンケート調査では医師の待機に関しては約90%が安心できたと答えていた。【結論】試験2週間前からの睡眠覚醒リズムを朝型に是正することや試験前日の不安、緊張に基づく不眠を改善することが学生の実力を充分発揮しうる大きな要因であることが示唆された。
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Research Products
(8 results)