Research Abstract |
Vladimir VovkとGlenn Shaferによるゲーム論的確率論は以下の著書でその基礎が与えられた. Glenn Shafer and Vladimir Vovk. Probability and Finance: It's Only a Game! Wiley, NewYork,2001. そこでは,Skepticとよばれる賭をする人と,Realityとよばれる賭の結果を定める人の,二人のプレーヤーの間のゲームを設定することにより,ゲームの結果として確率が定まることが示されている.注目すべきは,測度論無しに,大数の強法則,中心極限定理,重複対数の法則,さらに数理ファイナンスにおける価格付けの諸公式,などが証明される点にある.竹村は,竹内啓,公文雅之との共同研究を通じて,ゲーム論的確率論に関する新たな結果を得ている.これらはtechinical reportとして発表されていたが,研究発表に示すように国際雑誌に刊行,あるいは刊行予定の段階となっている. また,最近の研究成果として,堀越による修士論文研究の一環として,以下の研究成果を得た. Yasunori Horikoshi and Akimichi Takemura, "Implications of contrarian and one-sided strategies for the fair-coin game", Technical Report METR 07-17, March2007 この研究においては,戦略としてmomentum型の戦略とcontrarian型の戦略を区別し,特に後者の戦略から得られるさまざまな帰結が得られた.
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