2006 Fiscal Year Annual Research Report
食品・飲料水中のアルミニウム量とその化学形態およびその生体影響に関する研究
Project/Area Number |
18650223
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Research Institution | Kyoto Koka Women's University |
Principal Investigator |
吉田 香 京都光華女子大学, 人間関係学部, 准教授 (10336787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川添 禎浩 京都府立大学, 人間環境学部, 助教 (00224783)
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Keywords | アルミニウム / 分析化学 / 食品 / 飲料水 / 健康食品 / 溶出試験 |
Research Abstract |
アルミニウム(Al)は地殻中に多く含まれている元素であり、われわれが摂取する機会の多い元素の一つである。Alの毒性に関しては、極微量でも神経毒性を示すことが知られている。飲料水からのAl摂取量とアルツハイマー病との発症頻度の関係についても疫学調査により報告されている。近年の環境汚染により、酸性雨による土壌中からAl溶出量が増加し、農作物にこれまでより高濃度のAlが含まれている可能性がある。水道水においても原水の浄化のために凝集沈殿剤として使用されるため、除去が不十分であると比較的高濃度のAlが水道水中に含まれている可能性がある。また、Alは鍋の素材としてもよく使用されており、調理操作により食物に移行する可能性がある。医薬品や健康食品などにもAlを含有するものがある。このように現代日本人がAlを摂取する機会はこれまでよりも多いと考えられる。このため、われわれが暴露するAl量を再評価する必要がある。今年度の研究では、種々の食物および飲料水中のAl含有量を測定する方法を開発し、その方法を用いて基礎的なデータを集めた。 文献値より算出した値と実際に購入した食品材料中の値を比較すると、後者の方が高いものが多かった。また、調理前に比べて調理後の食物中のAl量は低下していた。Al鍋を使用したものも同様に、鍋からの溶出によるAl量の増加は認められず、減少していた。このことは、Al鍋からの溶出があってもそれが食品に移行するより調理操作による食品からの溶出の量の方が多く、結果として調理済み食物中のアルミニウム量が減少したことを示している。水道水に関しては、いずれも水質基準値(Al濃度0.2mg/l)と比較して著しく低かった。健康食品に関しては、種類によって差がみられ、Al量の非常に高いものもあった。
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Research Products
(1 results)