2007 Fiscal Year Annual Research Report
キリル文字とその変形文字による旧ソ連圏の英雄叙事詩-PC利用の資料研究
Project/Area Number |
18652033
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Research Institution | Nagoya Gakuin University |
Principal Investigator |
中條 直樹 Nagoya Gakuin University, 外国語学部, 教授 (10023623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 信行 愛知県立大学, 外国語学部, 非常勤講師 (20405153)
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Keywords | 英雄叙事詩 / キリル文字 / チュルク語 / 特殊文字 / 中央アジア / マナス |
Research Abstract |
中央アジアの民族の伝説的・歴史的英雄の活躍が口誦で伝えられ、そこに民族の運命が表象される「英雄叙事詩」は、記録され始めるのは、19世紀以降であり、その中心を担ったのはロシアの研究者であった。20世紀後半におけるソ連崩壊は、中央アジア諸国のキリル文字圏からの離脱現象を引き起こしており、チュルク諸言語を使用する国にもラテン文字への転換、あるいはチュルク諸言語の統一という動きも見られる。このような動きの中で、かつてキリル文字とその変形文字-例えば、クルグス語にはキリル文字と3個の変形文字がある-を用いて記録された「英雄叙事詩」のテキストは、その存在さえも忘れ去られ、散逸のおそれがある運命にあり、早急にこれらの総括的な研究と整理が必要であるのは言をまたない。本プロジェクトにおいては、「英雄叙事詩」を文学として捉えるのではなく、あくまでそれらの文字記録、特にキリル文字とその変形文字を用いて記録されたテキストに焦点を当て、中央アジアの叙事詩のテキスト・データを構築し、基礎資料を整備するために、研究強力者ムサエフ・ターライベク(名古屋大学・大学院国際開発研究科後期課程終了)は精力的に文献収集にあたり、著名な英雄叙事詩『マナス』の異本、その他の英雄叙事詩を収集した。また、研究代表者は、日本語に翻訳された英雄叙事詩『マナス』、及び中央アジア関連図書の収集に努め、読書会を定期的に関催している。 中途参加の研究協力者水野晶子(四国学院大学・非常勤講師)は文献調査と特殊文字の処理の調査のために、2008年2月にモスクワとサンクトペテルブルグに出張し、文献を収集などの成果を得た。 研究協力者ムサエフ・ターライベク(名古屋大学・大学院国際開発研究科後期課程終了)は、マレーシア大学に赴任しため、研究協力者を年度途中で辞退した。
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Research Products
(2 results)