2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18652036
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
箕浦 信勝 Tokyo University of Foreign Studies, 外国語学部, 准教授 (90262211)
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Keywords | 手語 / 手語言語学 / マダガスカル手語 / 統語論 / 語順 |
Research Abstract |
本研究の第2年度、半成19年度には、マダガスカルの首都アンタナナリブおよび、地方都市マハザンガに8月頭より1ケ月滞在し、アカニニ・マレニナろう学校を訪問したり、またろうのネイティブ手話話者から現地調査を実施した。平成18年度には、マダガスカル手話の語順は、OSV、 SOV、 SVO、OVSが可能であり、VOS、VSO、 SVO、 OVSが可能である音声・書記マダガスカル語とは、50%としかかさならず、音声・書記マダガスカル語からの、マダガスカル手話への影響は、あるとしても、全般的なものではなく、部分的選択的なものであることがわかっていた。平成18年度には、1対1の面接による、文例の収集が主であったが、平成19年度には、1人語りや、会話の収録にも成功した。そこでは、S、 O、 Vの全てがそろっている文は、ほとんどなく、SVO語順の文が、2、3見られるに過ぎなかった。これは、面接・質問による調査と、自由な発話による調査で、文体(スタイル)が変わることを示し、今後の査において、留意しなければ行けない点である。また、会話時に、話者と聞き手の発話が、かなりオーバーラプすることも見られた。これは、音声言語に於いて見られるよりも甚だしいものであり、談話分析の観点からの分析が必要になるかもしれない。
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