2006 Fiscal Year Annual Research Report
日本型法化社会における複合的リスク・マネジメント・システムの基礎理論
Project/Area Number |
18653001
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
江口 厚仁 九州大学, 大学院法学研究院, 教授 (10223637)
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Keywords | 日本型法化社会 / リスク・マネジメント / リスク・コミュニケーション / 社会システム理論 / 市民的リスク管理法 / 市民的公共性 |
Research Abstract |
本研究は、内外の最新の研究動向を参照しつつ、「日本型法化社会」に相応しいリスク・マネジメント・システムの基礎理論を構築し、もって多種多様なリスク問題に対する法システムの応答可能性を構想・開拓しようとするものである。 研究計画初年度(18年度)は、主に本研究課題と密接に関連する内外の文献・資料・データをできる限り網羅的に収集・整理・分析する作業に着手した。具体的には、海外については基礎理論系の研究図書を中心に、国内については「市民的リスク管理法」に関わる具体的な資料・データを中心に関連文献・資料の収集にあたるとともに、それらを適宜翻訳・要約・整理して、現代社会のリスク・マネジメント問題の全体像を俯瞰するための文献資料一覧及び概念/理論相関図の作成に取り組んでいる。 また、PC機種の更新及び周辺機器の拡充をつうじて、テキストデータのみならず、音声・画像データをPCに集約・管理するための環境整備にも着手した。これをもとに、より効率的なデータ検索・利用に向けたデータベースの可能性についても検討を進めている。 さらに、リスク・マネジメントを、リスク・コミュニケーションの問題として分析するシステム論的リスク理論にとっては、現代社会の公共的コミュニケーションのあり方全般を問い直すことが重要な理論的前提となる。そのため、現代公共性論/市民的公共性論の再検討を共通テーマとする研究会を組織し、九州法学会において中間報告的なセッションを開催した。 以上のとおり、本研究計画の予定するスケジュールに沿って着実に準備作業を進めているところである。
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Research Products
(1 results)