2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18653017
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
小田 秀典 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 宏 京都産業大学, 工学部, 教授 (90065839)
秋山 英三 筑波大学, システム情報工学研究科, 助教授 (40317300)
|
Keywords | ニューロエコノミクス / fMRI / 時間選好 / 不確実性下の意思決定 |
Research Abstract |
fMRI実験を行うための準備として以下の活動を行った。(1)専門知識の獲得のため、国際会議への出席および専門家の招聘・訪問を行った。(2)京都産業大学ATRプロモーションズ『脳活動イメージングセンタ』(BAIC)でのfMRI利用を可能にするため、京都産業大学学内の態勢を整えた。具体的には京都産業大学研究機構委員会に実験にあたっての倫理基準の作成を求め、それに従って実験計画を作成し同委員会で承認された。(3)BAICからfMRI解析プログラミング(SPM)と刺激提示プログラミング(プレゼンテーション)を習得するための講習を受けた。以上の活動によって、研究の前提となる実験者の技能と環境の整備が確保された。 以上と並行して、不確実性下の意思決定と時間選好を総合的に扱う実験を設計し、最初の実験を2006年12月に行った。この実験は、本研究課題(スモールデシジョン)研究の基礎となるものであり、以下の(a)と(b)が人間の意思決定過程としての異同を調べることを目指す:(a)小さな不確実性(賞金獲得確率が大きい)と大きな不確実性(賞金獲得確率が小さい)は程度の問題であるが(したがって期待値の大小が大きな役割を果たすが)、完全に確実な報酬(賞金獲得確率が100パーセント)は特別に高く評価されるという既存研究;(b)近い未来(賞金を受けとるまで短期間またなければならない)と遠い将来(賞金を受けとるまで長期間またなければならない)は程度の問題であるが(明日と明後日の間の時間割引率は小さい)、まったくの現在(賞金を即金でもらえる)は特別に高く評価される(今日と明日の間の時間割引率は大きい)。 現時点では被験者数も少なく確定的なことは何も言えないが、経済実験として成立することは確認されたので、2007年度には研究を本格的に進めたい。
|