2006 Fiscal Year Annual Research Report
美術館アウトリーチ活動の経営支援とその学校教育における活用にむけた実証的研究
Project/Area Number |
18653087
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山口 健二 岡山大学, 教育学部, 助教授 (90273424)
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Keywords | 美術教育 / 文化社会学 / 美術館経営 / 来館者調査 |
Research Abstract |
研究第一年度である本年度は、次の3系列の美術館ワークショップの調査を実施した。(1)大原美術館の夏休み子供向けイベント(チルドレンズ・アート・ミュージアム)の来館者調査。(2)岡山県立美術館の来館者調査のサーポート。(3)大原美術館利用にかかわる倉敷・岡山市民調査。調査コストを勘案し、(1)は筑波大学研究チームとの、(3)は政策研究大学院大学との共同調査の形をとった。(2)については、岡山県立美術館で企画・実施済みのアンケート調査に助言的立場から参画する形をとった。来年度以降は、企画・実施の段階からかかわる予定である。いずれの調査も最終報告にはいたっておらず、とれらは来年度の作業とする予定であるが、美術館ワークショップ経営を実証的見地から改善支援をするという本課題の目的にとって、基礎的データを提供することが期待される。 これと平行し、二つの事業に関与した。それらは本課題の今ひとつの目的である、学校教育における美術館ワークショップ活用にかかわるものである。その第一は、岡山市立岡北中学校における美術科単元「オリジナル美術館をつくる」の支援である。この単元は、美術館での校外学習を組み込んだもので、美術館の資源を教育現場で活用することを前提としたものである。実際の校外学習に際しては、教育学部学生ボランティアを組織し、大学としてもこの学習単元を支援する体制を整えた。第二に、岡山県立美術館の教育普及活動の一環として作成された『美術鑑賞ガイド』の指導効果を検証する実験を実施した。同ガイドは中学校美術科鑑賞指導の補助資料であり、岡山県下の全美術教諭に無料配布されたものである。このガイドの普及・啓蒙を期待するものとしては(研究代表は同ガイドの作成委員でもある)、このガイドを用いた授業の指導効果があるかどうかはきわめて重要な関心事である。これら事業の総括は、本年度末、National Art Education Association(USA)と美術科教育学会(金沢)での報告する予定である。
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Research Products
(1 results)