2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18653111
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松本 仁志 広島大学, 大学院教育学研究科, 助教授 (40274039)
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Keywords | 左利き / 書字 / 教材開発 / 国語科 |
Research Abstract |
本年度は研究初年度として、左利き書字及び左利き児童に関する基礎的考察及び基礎的調査を以下のように行った。 (1)国語科教育及び書写書道教育に関連する諸科学の先行研究をもとに左利きの生理学的構造や利き手の矯正が子どもに与える肉体的・精神的影響などを整理・考察し、左利き児童用書字教材開発の必要性への根拠として明確にするとともに、左利き用書字教材開発の先行的実践資料を分析・整理し、児童の左利き書字の実態調査における分析視点として位置づけた。 (2)左利き書字の困難点の把握のために、左利き児童の書字に関する実態調査(主に観察による調査)を、東広島市立の小学校において小学校1年生から6年生までの左利き児童を対象に、平成18年11月から平成19年2月までに計4回行った。左利き児童が右利き用の書字教材を使用した場合の書字の状況について、「筆記具の持ち方の状況(指の位置・手首の状態・軸の角度)」、「姿勢」、「筆圧」、「点画の書字方向」、「机上における教材(教科書・ノート等)の位置」、「書かれた文字の字形」、「書かれた文字群の配列・配置」の各視点から観察し、左利き児童の書字上の困難点を抽出・整理するための、またその原因を究明するための予備的データを集めた。 本年度調査対象とした児童は少数のため、各学年に対応した教材開発につなげるだけのデータとしては不充分であり、次年度は、まず調査対象児童数を増やしてデータを明確にし、その上で、書字教材を構成する要素ごとに、左利き児童を対象とした単位教材モデルを試験的に作成する予定である。
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