2006 Fiscal Year Annual Research Report
縞状鉄鉱層の堆積方法:現行熱水活動場での鉄沈殿メカニズムの解明。
Project/Area Number |
18654086
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清川 昌一 九州大学, 大学院理学研究院, 講師 (50335999)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 孝 茨城大学, 教育学部, 助教授 (10272098)
池原 実 高知大学, 海洋コアセンター, 助教授 (90335919)
北島 冨美雄 九州大学, 大学院理学研究院, 助手 (40274427)
山口 耕生 海洋研究開発機構, その他・研究員 (00359209)
小栗 一将 海洋研究開発機構, その他・研究員 (10359177)
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Keywords | 地質学 / 地球化学 / 地球史 / 環境変動 / 縞状鉄鋼層 |
Research Abstract |
本研究は、太古代・原生代における縞状鉄鉱層の生成・堆積過程を理解することを視野に入れ、現世の鉄酸化物の生成・堆積過程の理解を目指すものである。本研究では、国内において最も活発な鉄酸化物の沈殿が起こっている薩摩硫黄島をモデルフィールドとしている。平成18年度の成果は、以下の4項目に総括できる。1)小型海底現場観察装置「オグリビュー」の改良・テスト、2)オグリビューによる観察、3)簡易セディメントトラップによる堆積速度の測定、4)鉄酸化物マウンドの空間分布把握。以下にその概要を記す。 1)従来、比較的透明度の高い海洋で利用されていたオグリビューを、鉄酸化物の浮遊物が多い薩摩硫黄島の実情に合わせて、改良を加えた。さらに、福岡県、熊本県、鹿児島県などに分布する条件の異なる様々な湖沼等で観察実施テストを行った。2)薩摩硫黄島において行ったオグリビュー観察の結果、鉄酸化物の沈殿・再移動・固定についていくつかの事例が観察できた。3)薩摩硫黄島の湾内に設置した簡易セディメントトラップにより、0.12〜0.18[g/cm2/day]という極めて速い堆積速度で、鉄酸化物の堆積が行われていることが明らかとなった。4)鉄酸化物の生成が活発に行われている湾内において、潜水調査を実施した。その結果、湾底の一部に、非常に緻密な鉄酸化物マウンドが生成されていることが明らかとなった。このことは、薩摩硫黄島の湾内においては、海中に浮遊する大量の細粒鉄酸化物および鉄酸化物マウンドという二つの様式で、鉄の酸化沈殿が行われていることを示唆している。
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