2007 Fiscal Year Annual Research Report
X線導波路現象を利用した有磯薄膜高次構造のリアルタイム観測
Project/Area Number |
18656003
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
林 好一 Tohoku University, 金属材料研究所, 准教授 (20283632)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐崎 元 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (60261509)
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Keywords | X線全反射 / 有機薄膜 / 薄膜高次構造 / X線導波路 / その場観測 / 光ファイバー / フラウンホーファー回折 |
Research Abstract |
これまでに、我々は有機薄膜の端面から出射されるX線をエネルギー分析することによって、薄膜の高次構造評価の手法開発を行ってきた。本研究期間においては、100nm以上の膜厚の銅フタロシアニン(CuPc)薄膜に対して、白色X線を斜入射条件下で照射し、薄膜端面からのX線をエネルギー分析した。実験は、放射光実験施設フォトンファクトリーBL3Cの白色X線を用いて行った。入射角は0.19度とし、ダイレクトビームと反射X線の間に出射されるX線を半導体検出器でエネルギー分析した。観測したX線のエネルギー値と出射角は、X線導波路現象によるフラウンホーファー回折によるものであれば、2-3のディスクリートな値になるが、ここでは連続的な変化を示した。観測されたX線のエネルギーは、出射角によって若干変化するが、基本的にはSiとCuPcの全反射臨界エネルギーの間の値をとることが観測により分かった。この変化は、屈折の式であるスネルの式を用いて説明でき、従って、観測されたx線は、SiとCuPcの界面のみで生じた反射X線であることが判明した。この原理を応用すると、エネルギーフィルターとしての役割を果たす光学素子の設計が考えられる。また、薄膜の構造解析に対しても、従来の対象反射のみの反射X線の解析に加え、薄膜端面からの反射X線を解析することによって、より詳細な“埋もれた界面"に関する情報を入手できる可能性がある。その他にも、トップSi層の厚みの異なるSi/PMMA/Siを試料として用い、X線導波路としての特性を放射光白色X線を用いて評価した。また、フォトンファクトリーBL3Cに導入する予定の熱処理チャンバーを設計・製作した。
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Research Products
(4 results)