2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18656024
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 崇人 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (90282095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江刺 正喜 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (20108468)
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Keywords | テラヘルツ波 / 熱型輻射センサ / 近接場 / 振動子 / マイクロマシニング / ダイポールアンテナ / 熱機械ノイズ / 量子限界 |
Research Abstract |
本研究では、テラヘルツ波を発生検出するデバイスをMEMS技術で作製し、ナノメートルの分解能をもつ顕微鏡に応用する。テラヘルツ波を用いた近接場イメージングの報告は幾つかあるが、MEMS技術を用いて、様々な要素を一体化した例は他に報告されていない。テラヘルツの発生と検出を半導体技術で小型、集積化することで、自由度が高い計測システムが実現できる。熱型センサの最小検出能は、検出する輻射光の揺らぎによるショットノイズ、センサから恒温浴への熱伝導に起因する熱揺らぎ、センサ自身の熱機械ノイズなどによって制限され、原理的に理論的な限界が存在する。このため、高感度な熱型の輻射センサは液体窒素や液体ヘリウムで冷却して利用する。一方、熱量の変化を機械的なそりとして変化として検出するバイメタル式センサが知られている。しかし、この場合も同様に周囲の熱による熱機械ノイズが最小検出感度を制限する。そこで、本研究では、レーザー光を利用した光熱力を利用し、擬似的な低温状態を実現し熱機械ノイズを量子限界以下にする。 100nm以下の寸法をもつテラヘルツ波の近接場を発生するプローブを設計・試作する。設計には、FDTD法を用いたシミュレーターを利用し、効率よく近接場を発生できる構造を探索した。また、テラヘルツ波を検出するためのバイメタル式熱型センサを開発した。本提案でのテラヘルツ波センサは、単結晶シリコンからなる振動子、およびテラヘルツを吸収する吸収体、および熱を逃がさないための熱絶縁構造からなる。片持ち梁の先端にTHzを吸収する物質を形成しておき、THz波を吸収した際の熱の変化を、梁の機械的な共振周波数変化として検出した。本年度はバイメタル式のセンサを作製した。センサの周囲には、THz波を効率よく捕らえるためのボウタイアンテナを形成した。
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Research Products
(6 results)