2006 Fiscal Year Annual Research Report
一般化熱力学モデルに基づく有機物分解反応と堆肥化過程の構造化シミュレーション
Project/Area Number |
18656123
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 哲也 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (60312972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 宏一 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (80157122)
半井 健一郎 群馬大学, 工学部, 講師 (10359656)
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Keywords | 堆肥化 / コンポスト / 有機物分解 / 熱力学 / 自己切返し / 大規模処理 |
Research Abstract |
セメント系水硬材料の挙動を取り扱う熱力学連成解析システムをカスタマイズし,コンポスト過程を追跡するプラットフォームを構築した.有機物分解反応を追跡する一般化解析手法の構築のためには,分解により発生する熱,反応の場となる水分の様態,および酸化反応に用いられる酸素の3者を連成することが必須である.セメント・コンクリートにおいて,10の物理量を解く連成解析システムと非線形材料モデルを既に構築しており,各自由度の連成に必要な情報交換プロトコル・共有アルゴリズムは本研究にそのまま転用することで,基盤システムの構築を行った. 熱伝導方程式に支配される熱エネルギーサブシステム内で必要となる熱物性の同定とモデル化を行った.反応プロセスにおいて温度の管理・制御は極めて重要であるが,微生物を含んだ土壌(コンポスト)の熱伝導率・比熱は温度算定の精度を左右する要素となる.今年度は,種々の含水率および密度を有する土壌の熱伝導・熱伝達率,ならびに比熱の定量化を行った. 微生物による有機物分解プロセスの定量化を行うために,小型コンポスト反応槽を用いて,分解の際に発生する二酸化炭素濃度を時系列で測定する実験を行った.系内の温度,含水量,及び酸素濃度を関数とする微生物反応モデルの構築を行ったものである.また,コンポストと堆肥の投入割合,および基質の有するC/N比の違いによる反応プロセスについて検討を行い,より多様な有機物へ適用可能なモデルの構築を行った. 共同研究者であるTaweep C.博士と共同して,タイ王国・タマサート大学キャンパス内に実験プラントを設置し,本システムを用いた廃棄物処理が可能か否かを検証した.堆肥化プラントの基本原理として,従来から水平展開式のものが広く使われているが,ここでは垂直型自己切り返し装置を備えた全く新しいコンセプトに基づくパイロットプラントを構築し,実証試験を繰り返した.
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Research Products
(3 results)