2006 Fiscal Year Annual Research Report
液相法によるリチウムイオン伝導性アモルファス非金属硫化物塩の合成
Project/Area Number |
18656194
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
辰巳砂 昌弘 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (50137238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
忠永 清治 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (90244657)
林 晃敏 大阪府立大学, 工学研究科, 助手 (10364027)
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Keywords | 固体電解質 / 液相法 / 硫化物 / リチウムイオン伝導体 / 全固体リチウム二次電池 / チオ錯体 / コーティング / 薄膜 |
Research Abstract |
これまでに、硫化物系固体電解質材料のリチウムイオン導電率が極めて高く、電極活物質との間で安定な界面を形成することを見出し、全固体リチウム二次電池用の固体電解質として応用されている。電極活物質微粒子をこの硫化物系固体電解質の薄膜でコーティングすることができれば、良好な界面形成によってスムーズな電気化学反応が可能となり、高電流密度の全固体二次電池にそのまま適用できるだけでなく、現在のリチウムイオン二次電池の画期的な高性能化を図ることも期待できる。そこで、本研究では、非金属硫化物リチウム塩の前駆体薄膜を溶液系から作製し、これを用いたリチウムイオン伝導性の高い硫化物固体電解質薄膜の作製条件を明らかにすることを目的として行っている。 本年度は、Li_2s-SiS_2系アモルファス固体電解質の前駆体の候補として、Si-S-Si結合を分子内に持つ(Me_2SiS)_3を合成し、この分子の熱分解挙動について検討した。さらに、LiあるはLi_2Sとの複合化について検討した。(Me_2SiS)_3の熱分解挙動を調べたところ、200〜300℃付近に重量減少が観測され、有機鎖の分解がおこっていると考えられる。(Me_2SiS)_3を300℃、窒素雰囲気下で2時間熱処理を行った場合、アモルファスの物質が得られた。液体である(Me_2SiS)_3にLi金属を投入し、直接反応させた後、400℃で熱処理を行った場合、室温で4.2×10^<-9>Scm^<-1>を示す物質が得られることがわかった。Li_2Sを(Me_2SiS)_3に加えた場合には、ほとんど反応しないことがわかった。
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