2006 Fiscal Year Annual Research Report
妊産婦のつわり症状における生理的多型性に関する生理人類学的研究
Project/Area Number |
18657084
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Research Institution | Fukuoka Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
船津 美智子 福岡女学院大学, 人間関係学部, 教授 (20261117)
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Keywords | つわり / 環境 / ストレス / 身体 / 色彩 / ダイエット / 人間関係 / 臭い |
Research Abstract |
最近、妊産婦の環境は大きく変化し、妊婦の「つわり」症状は10年前に比べて悪くなっている。本研究では、妊婦の「つわり」症状に与える身体的、心理的環境の要因をストレスとして調査を行った。 対象妊婦は102名で29歳までが47%、30〜34歳が33%で35歳以上が20%であった。 調査内容は、妊婦の「つわり」症状に影響を与えるストレス要因として1.環境「就業、家事状況、色彩、臭い、照明等生活状況」、2.人間関係、3.身体状況「出産前の身体状況」、4.心理状況など104項目および食事関係124項目について作成した。個別面接し、記入式アンケート調査を行った。 結果: 妊産婦は妊娠特有のストレスを感じていることがわかった。 「つわり」症状としては嘔吐、食べ物への嫌悪感、嗜好の変化、いらいら、憂鬱感、眠気、胃のもたれ、頭痛、疲れやすいなどであった。これらの症状は気分調査結果では、「活気」に逆相関が認められた。「つわり」症状因子「人間関係」、「環境」で特に関係するのは職場、家事、経済などの生活環境、友人、家族、医者などの人間関係であり、「出産の理解者数」、「相談相手の数」「経済状況」に相関があった。「心理状況」の要因の中で特に関係が深いのは「出産の不安」「出産願望」であった。「出産への不安」は初産、経産に関らず存在し、また、「出産願望」は周囲の期待が大きいほど、または、流産経験があるほど強く、相関が認められた。「身体状況」では母子の「つわり」症状の相関は認められなかったが、「ダイエット」の経験の有無とは相関が認められた。2006年9月The 8th International Congress of Physiological Anthropologyに於いて本調査の一部「Factors Influencing Symptoms in morning sickness」の発表を行った。
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