2006 Fiscal Year Annual Research Report
茎頂分裂組織の微細手術による難増殖性園芸作物の新しいクローン増殖技術の開発
Project/Area Number |
18658012
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
細川 宗孝 京都大学, 農学研究科, 助手 (40301246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
札埜 高志 京都大学, 農学研究科, 助手 (40314249)
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Keywords | 茎頂分裂組織 / パーティクルガン / キク / 修復能 / 細胞破壊 / 大量増殖 / 園芸作物 / 組織培養 |
Research Abstract |
茎頂分裂組織をパーティクルカンによる金粒子の撃ち込みによって破壊できるかどうかを調査した。1.6umの金粒子を650psiで2-3回の撃ち込むことによって茎頂分裂組織のL1層のみが破壊できることをコオニユリを用いて実証した。また、撃ち込み処理後の茎頂分裂組織の破壊部の修復能に関しては2つの型が認められた。つまり、傷つけ部を修復するタイプ(コオニユリ)と修復せずに非傷部から新しい茎頂分裂組織を発生するもの(カーネーション)があることを認めた。キクにおいては品種によって違いが認められ修復型として‘秀芳の力'、非修復型として‘ポリッシュマープル'認められた。また、以前の実験で‘ポリッシュマーブル'はパーティクルガンによる茎頂分裂組織への金粒子の撃ち込みによって植物生長調節物質を含まない培地でもシュートが多数発生したが、‘秀芳の力'では一本のシュートのみが伸長したが、これらが茎頂分裂組織の修復能で説明できる可能性が考えられた。本実験の再現性を確認すべく同じ実験を繰り返し行ったが、‘ポリッシュマーブル'においても発生するシュート数が2-3本程度と少なく、これらにはキクの生育ステージが関連しているのではないかと考えられた。つまり、花芽分化初期などの特定の茎頂分裂組織を用いることが重要な要因になっている可能性がある。さらに、多数のシュートが観察された際の切片の観察から、金粒子のアグリげ一ションが要因とも考えられ、本年度に行うナイロンメッシュによる部分破壊処理が有効である可能性が高い。
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