2007 Fiscal Year Annual Research Report
アクアポリンと葉脈による葉の通水性および光合成特性への効果
Project/Area Number |
18658067
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
石田 厚 Forestry and Forest Products Research Institute, 植物生態薪究領域, 室長 (60343787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原山 尚徳 独立行政法人森林総合研究所, 植物生態薪究領域, 研究員 (60353819)
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Keywords | 水チャンネル / アクアポリン / 光合成 / 気孔コンダクタンス / 孔辺細胞 / 塩化水銀 / 阻害剤 / 通水性 |
Research Abstract |
アクアポリンは、すべての生物の細胞膜上にある、水を透過させるゲートになっているタンパク質である。アクアポリンの活性を調べるため、その阻害剤として塩化水銀溶液を使って通水性を測定し、その後水銀イオン還元剤のメルカプトエタノールを処理して、通水性の回復を調べる方法がよく使われる。ここでは塩化水銀を用いて、葉のガス交換機能とアクアポリンの活性との関連を調べた。まず塩化水銀溶液に有効な水銀イオンの濃度と処理時間を調べ、水銀イオンのアクアポリン阻害剤としての有効性を確かめた。塩化水銀処理後にメルカプトエタノールを処理しても、葉の通葉の通水性は回復せず、さらに低下した。そのため、水銀イオンがアクアポリンを阻害したか、直接は代謝活性に悪影響を及ぼしたか、確かめられなかった。そこでメルカプトエタノールを用いず、水銀イオン処理した葉の暗呼吸速度を経時的に測定することによって、代謝活性に影響せず葉の通水性が低下する適切な水銀イオンの濃度と処理時間を決定した。樹種間で比較した場合、アクアポリン阻害による葉の通水コンダクタンスの低下率と、気孔コンダクタンスの低下率の間には、緩やかな正の相関がみられた。これらのことから、葉内のアクアポリン活性の種間差が、葉内の通水性や気孔開度に関連していることが明らかになった。また、水銀イオンによって葉内細胞のアクアポリンの水チャネル機能を阻害した葉では、未処理の葉と比べ、葉の通水性と気孔コンダクタンスが低下した。水銀イオン処理による低下の割合は、通水性が平均で65-90%まで低下したのに対し、気孔コンダクタンスでは80-95%にまで低下した。すなわちアクアポリンを阻害することにより、葉の通水性の低下よりも、より強く気孔コンダクタンスの低下に効いた。このことより、孔辺細胞の動きに直接関与しているアクアポリンが存在することがわかった。
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Research Products
(3 results)