2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18658115
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
塚本 康浩 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (90305657)
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Keywords | 抗体 / ダチョウ / 免疫組織化学 / 治療 / 診断 |
Research Abstract |
本研究では哺乳類とかけ離れている超大型鳥類"ダチョウ"に焦点を当て、哺乳類(マウスやウサギ)では作製することの出来ない有用抗体を、高精度でかつ大量、さらに均一的に作製する方法を検討した。これにより、ロット差の無い優れた医療用抗体(獣医畜産および医学領域における治療用および診断用)の供給へと実用化を試みた。特に、がん治療用抗体、感染症・食中毒病原体検出用抗体の大量生産法の開発を検討した。 具体的には、1)免疫抗原の選択:家畜やヒトの疾病に関与する抗原(インフルエンザウイルス、伝染性気管支炎ウイルス、サルモネラ菌、ノロウイルス、犬パルボウイルス)をターゲットとした。生体内分子に関しては、癌抗原であるギセリンとSC1/CD166に焦点を当てた。まずダチョウでの遺伝子配列を決定し、ダチョウと哺乳類間で相同性の低い合成ペプチドを作製し、ダチョウに免疫した。血液および卵黄から、上記の抗原に特異的なダチョウ抗体(IgG, IgY)を創作することに成功した。2)免疫法の開発:様々な月齢のダチョウを用いて、免疫回数、免疫部位、アジュバントの種類、抗原量と抗体価の推移などを検討し、上記抗原の最適免疫条件を設定した。4)ダチョウ抗体の精製法の開発:硫酸アンモニウム、プロテインGカラム、分子濾過膜などを用いて、ダチョウIgG、IgYの最適な大量精製法を確定した。結果として、GEヘルスケア社(株)の協力により、特性分子濾過フィルターシステムを適応することで、1個のダチョウ卵黄より2〜4gのIgYの回収法を見出した。5)抗ダチョウIgG/IgY2次抗体の作製:精製したダチョウ抗体をウサギに免疫することで抗ダチョウIg抗体を作製した。これにペルオキシダーゼやビオチン、蛍光色素を標識することで、免疫組織化学やELISAなどに使用可能な2次抗体の作製に成功した。
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Research Products
(5 results)