2006 Fiscal Year Annual Research Report
抗糖脂質モノクローナル抗体のイヌ型抗体化とメラノーマ治療への応用
Project/Area Number |
18658123
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大橋 和彦 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (90250498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今内 覚 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助手 (40396304)
奥村 正裕 北海道大学, 大学院獣医学研究科, 助教授 (80260397)
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Keywords | 糖脂質 / メノラーマ |
Research Abstract |
糖脂質を標的分子とした新規の抗腫瘍療法を開発することを目的として研究として研究を行った。平成18年度は、既に申請者らが作製した各種糖脂質に対するマウスモノクローナル抗体(MAb)パネルをメラノーマ診断に応用する目的で、メラノーマ細胞における各種糖脂質発現パターンを解析した。これまでに樹立されている可移植性株を含むイヌメラノーマ細胞株を用いてマウス抗糖脂質MAbパネルを用いて、薄層クロマトグタフィー(TLC)やウェスタンブロット法で検討したところ、抗GM3 MAbが多くの細胞株と反応することが示された。また細胞株の可移植性を腫瘍の悪性度の指標として抗体パネルとの反応性を解析したが、MAbとの反応性と悪性度の間に明確な相関関係は見いだせず、今後、より多くの腫瘍細胞株との反応性を検討することが必要と思われた。 次に、組み換えイヌ型抗糖脂質MAbの臨床応用を目的として、作成したMAb遺伝子の超可変領域(抗原特異性決定部位)の塩基配列を決定した。そして従来報告されているマウス抗体遺伝子と比較を行い、H鎖・L鎖それぞれの超可変領域(CDR1、CDR2、及びCDR3)の遺伝子配列を決定した。さらに、イヌ型抗体化を目指して遺伝子発現ベクターへ挿入するため、遺伝子カセットをH鎖・L鎖それぞれにおいて作成した。今後、組み換えバキュロウイルス発現系などを用いて組み換えイヌ型抗糖脂質MAbの大量発現系を樹立する予定である。そしてメラノーマ移植実験動物モデルを用いて治療試験を行い有効性を検討する(投与量、投与経路、副作用なども検討)。さらに化学療法・外科的療法の補助療法としての有効性を実際の臨床試験で解析する。
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