2006 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動依存的逆行性標識による性腺刺激ホルモン排卵性大量分泌中枢の特定
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18659061
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
佐久間 康夫 日本医科大学, 大学院医学研究科, 教授 (70094307)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木山 裕子 日本医科大学, 医学部, 講師 (60234390)
濱田 知宏 日本医科大学, 医学部, 助手 (90312058)
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Keywords | GnRH / NKCC1 / GABA / グリア / トランスジェニックラット / EGFP / TTC / GT1-7 |
Research Abstract |
視床下部に散在する性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)ニューロンは、生殖内分泌系を調節する最終共通路である。我々はこれまでに(1)GnRHニューロンでは成熟後もNKCC1共輸送体の作用により細胞内Cl^-濃度が高く、GABAにより興奮を起こすこと;(2)GnRHニューロンのシナプス下膜外に、GABAの持続的作用を伝達するGabazine感受性のGABA_A受容体サブタイプが分布し、GnRHニューロンの興奮性を規定していることを示した。そこでシナプス下膜外のGABA_A受容体に作用するGABAが、ニューロンあるいはグリアの何れに由来するかを決定するために本研究を立案した。本研究では、トランスジェニックラットにおいて蛍光タンパク質(EGFP)と無毒化テタヌストキシンC末端(TTC)の融合タンパク質を逆行性トレーサーとしてGnRHニューロンに発現させ、GnRHニューロンの活動に伴って細胞体周囲に分泌された融合タンパク質が、周囲のグリアや投射ニューロンの軸索末端に取り込まれ、蛍光標識を行う。これにより脳内に散在するGnRHを支配する神経回路と伝達物質、性ホルモンの作用部位を同定することで、生殖内分泌調節の重要な課題となっている排卵の中枢調節機序や更年期の自律神経症状の病態の生理学的基盤を明らかにすることが目的である。GnRH遺伝子のpromoter配列(3142bp)の下流にパスツール研究所Philippe Brulet教授から供与されたTTC遺伝子と蛍光タンパクEGFP遺伝子をつなげた導入遺伝子GnRH/P-IGFP-TTC(5962bp)を作成した。この遺伝子はGnRH株細胞であるGT1-7で動作し、EGFP蛍光を発現することを確認した上で、Crj:Wistarラット受精卵に注入しトランスジェニックラットを作成した。サザンブロットにより遺伝子の導入が確認された個体を得ることができたので、脳切片を作成しECFP蛍光および免疫組織化学による検索を実行しているが明確な結果を得るに至らず、導入遺伝子の設計を含め再検討を進めている。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Neural interaction between galanin-like peptide (GALP)- and luteinizing hormone-releasing hormone (LHRH)-containing neurons.2006
Author(s)
Takenoya F, Guan JL, Kato M, Sakuma Y, Kintaka Y, Kitamura Y, Kitamura S, Okuda H, Takeuchi M, Kageyama H, Shioda S
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Journal Title
Peptides 27(11)
Pages: 2885-2893
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