2006 Fiscal Year Annual Research Report
外的刺激を応用した細胞機能制御およびバイオミメティック硬組織材料の作成
Project/Area Number |
18680039
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 卓也 大阪大学, 歯学研究科, 助手 (40324793)
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Keywords | バイオミメティック / 有機・無機複合材料 / ハイドロキシアパタイト / アミノ酸 / 生体吸収性 / 結晶成長 |
Research Abstract |
硬組織置換用有機・無機複合材料を作製するにあたり、この材料を構成する無機成分の特性、特に生体吸収性を理解することは重要である。まず、本年度は異なる物性、具体的にはサイズ、形状、結晶性の異なるアパタイト材料の生体吸収性について検討を行った。その結果、いずれのアパタイトにおいてもその周囲を新生骨基質が取り巻くが、大きなサイズの燒結アパタイト(3mm以上)はその形状を維持し続けるのに対し、小さいサイズ(50μm以下)の低結晶性アパタイトは海綿骨中に取り込まれ、その吸収が進むことが明らかとなった。 バイオミメティックな新規有機・無機複合材料を作製するにあたり、有機ゲル中での石灰化制御は有効である。しかし、この場合、ゲル中有機質が石灰化に及ぼす影響を理解する必要がある。そこで、種々のアミノ酸存在下でのアパタイト合成を行った。その結果、アミノ酸の種類によりアパタイト生成を抑制するものが複数存在することが明らかとなり(グリシン、セリンが結晶成長に及ぼす影響を検討したところ、アスパラギン酸は合成段階でカルシウムとの結合、アスパラギン酸、グルタミン酸)。その中で特に結晶成長抑制を引き起こすアスパラギン酸により生成アパタイトのCa/P比を変えてしまうことに加え、生成アパタイト結晶中に取り込まれることで、結晶成長を抑制していることが分かった。また、アスパラギン酸のアパタイトへの吸着はアパタイト結晶における長軸方向に平行な平面(C面)に特化して起こっていることが示唆された。
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Research Products
(4 results)