2007 Fiscal Year Annual Research Report
レクチャからの能動的学習を促進する協調的学習環境と基礎理論の構築
Project/Area Number |
18680052
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
白水 始 Chukyo University, 情報理工学部, 准教授 (60333168)
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Keywords | 協調学習 / レクチャ(講義) / 掲示板システム / ビデオシステム / わかりやすい講義 / 学習支援環境 / 聴講スキル / 知識統合 |
Research Abstract |
本研究は、レクチャ(講義)の理解を促進する協調的な学習環境の実現と理論構築を目指す。本年度は2004年度から4年間にわたって行ってきた大学2年生対象授業のデザイン実験を完了させ、今後の分析に資するデータを収集した。 これまでさまざまな方法で講義からの学習を支援してきたが、今年度は、講義を解体してその各部分を学習者に分担させ内容を交換・再統合させる「ビデオ・ジグソー」という学習法を開発し重点的に利用した。学習成果を経年比較したところ、今年度の実践がもっとも成果を収めた可能性がうかがえた。その比較結果およびビデオ・ジグソーにおける学習過程の分析に関する報告を国際・国内学会発表で行い、来年の論文誌投稿の準備を行った。特に、ビデオ・ジグソーには、講義の流れをいったん解体し、本来時間的に隔たっていた部分同士の柔軟な関連づけ・統合を仲間同士の議論を介して協調的に行える利点があることが見えつつある。また、一連の支援により、教員の講義自体の質も確実に向上しており、その向上のプロセスと要因を示す研究にも着手した。一方で、一連の実践から、ビデオ内容へのインデックスづけや、ビデオの任意のポイントに即座に移動できる機能、(テキスト同様の)柔軟な編集の必要性などの諸問題が見えてきている。 協調的な学習環境を平成18年度に他学科に移転した成果については、講義ビデオをどのような目的で利用するのかという移転先の条件に合わせて柔軟に転用することの効果と必要性が明らかになった。その成果を本年度国内学会で報告した。また、ビデオ・データをもとに協調的な分析経験を共有するワークショップを本年度から各種学会・集中講義で計画的に行っており、学習や問題解決場面などのビデオ・データを用いた学習環境構築に取り組み始めている。
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