2008 Fiscal Year Annual Research Report
視線が持つ社会的機能の個体発生・系統発生的起源に関する実験的研究
Project/Area Number |
18683006
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋弥 和秀 Kyushu University, 人間環境学研究院, 准教授 (20324593)
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Keywords | 視線 / コミュニケーション / 社会的機能 / 進化 / 発達 |
Research Abstract |
本研究では、視線が果たすコミュニケーション上の機能に2つの側面からアプローチしている。ひとつめは個体発生的アプローチ、すなわち、コミュニケーションにおける視線使用が発達過程においてどのように変化するのかという側面、ふたつめは系統発生的アプローチ、すなわち、視線利用やその基礎となる能力がヒトの進化の過程でどのようにして実装されてきたのかという側面に、並行して着目しながら実証的な研究を進めることを企図している。 本年度は、昨年度から継続している「乳児期における他者の視線の強化力」に関する実験研究に新たな条件を加え、これまでの成果と合わせて、DD : 「(実験者の) 顔も視線も乳児に向けられている」DA : 「顔は向けられているが視線は逸らしている」AD : 「顔は逸らしているが視線は向けられている」の3条件では、DD条件のみが乳児にとって強化力を持つことをはじめて示した。「自分の方を向いた視線」が発達早期から検出可能であり、コミュニケーション上で重要な機能を持つことはさまざまな視線研究の文脈上で指摘されていたが、実証的な手続きを元にその強化力を示した研究は皆無に近く、本研究の目標である視線の持つ社会的機能に迫る新たな知見といえる。 また、視線コミュニケーションの基盤となる霊長類の眼窩形態の進化と、大脳新皮質の進化の相関に関して、系統的な距離を加味した相関分析をあらたにおこない、両者に高い相関を見出した。 どちらの成果についても国際誌に投稿済みであり、現在修正再審査の段階にある。
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Research Products
(4 results)