2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
18686011
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 秀幸 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (60334257)
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Keywords | 部分放電 / カオス / フランクタル / 高電圧工学 / 不連続写像 / 非線形力学系 / ハイブリッドシステム / サンプル値制御 |
Research Abstract |
本年度の研究実績の概要は以下の通りである。 1. 既存の部分放電診断手法および各種部分放電モデルの数理的解析 各種の部分放電モデルに既存の部分放電診断手法を適用して、仮想的な「診断」をシミュレートすることにより研究を進めた。部分放電モデルとしては、最も単純な決定論的コンデンサーモデル、決定論的な漏れの効果を入れたモデル、確率的な放電遅れの効果を入れたモデルを用いた。また、部分放電診断手法としては、指紋(fingerprint)法およびパルス系列解析(pulse sequence analysis)を考え、モデルの様々なパラメータを変化させたときに、診断で用いる統計量の変化を見た。指紋法はパラメータの変化に非常に敏感な応答を示すことがあり、このことが診断に悪影響を与えることが確認された。一方、パルス系列解析から得られる統計量はパラメータの変化にロバストであり、この観点からは診断手法として有効であることが確認された。以上の結果は、パルス系列解析のように局所的な解析がモデルに関する情報を良く与えることを意味しているが、指紋法のように大域的な解析と組み合わせることにより、さらに良い方法となる可能性がある。 2. サンプル値制御と不連続カオスに関する理論研究 本研究では、部分放電の数理モデルと他分野の数理モデル等との関連について、継続的に広く調査して研究を進めてきた。その中で、サンプル値制御による温度制御システムのモデルにおいて南雲・佐藤神経細胞モデルと同じ不連続カオスの数理的構造が存在することを発見した。1変数および2変数のシステムの理論的・数値的解析を行い、豊かなダイナミクスが存在することを確認した。
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