2006 Fiscal Year Annual Research Report
磁気熱量効果を利用した高効率ノンフロン冷凍空調システムの開発
Project/Area Number |
18686016
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川南 剛 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (20281793)
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Keywords | 室温磁気冷凍機 / 磁気熱量効果 / ノンフロン冷凍機 / 永久磁石 / 冷凍空調 / 磁気作業物質 |
Research Abstract |
本研究の目的は,室温磁気冷凍機を構成する磁気作業物質と熱輸送媒体との間の熱交換特性の把握と,それに基づく実システムの構築である.本年度の研究成果を以下に示す. 1.熟移動特性および圧力損失挙動を評価するための装置の製作と実験 吸発熱を繰り返す磁気作業物質からの熱移動特性,および圧力損失挙動を評価するための実験装置を製作し実験を行った.本実験装置は,永久磁石磁気回路,磁気作業物質を封入し周囲熱交換媒体と熱交換を行わせるための試験部,空気駆動系,および温度・圧力測定系から構成されている.なお,磁気回路を任意の条件で往復駆動させることにより,試験部に磁場変化を付与する構造となっている. 2.蓄熱再生型磁気冷凍試験装置の構築と基礎的性能評価 室温磁気冷凍機の性能向上のためには,蓄熱再生サイクルを用いた冷凍方式を利用するのが効果的である.本研究では,蓄熱再生サイクルを用いた室温磁気冷凍機の構築と冷凍特性に関する基礎実験を行った.実験装置は,蓄熱再生サイクルを実現する最も基本的な構造となっており,ガドリニウム球が封入されたアクリル製円管,熱交換媒体を駆動させるためのディスプレーサ,および磁気回路から構成されている. 3.磁気作業物質の選定およびその形状の検討 本研究では,磁気熱量効果が大きいガドリニウムを供試磁気作業物質として選定し,形状による熱交換特性の影響を検討するため,球形,棒状,円管状の磁気作業物質を製作した.加えて,熱交換媒体を流動させる際の圧力損失の低減の観点から,多孔質形状の磁気作業物質も製作した. 4.研究成果および特筆すべき点 (1)磁場を付与した場合と付与していない場合では,圧力損失分布に差が認められる. (2)出口空気の温度変化は,多孔質体の試験セルにおいて大きくなる. (3)蓄熱再生サイクルは室温磁気冷凍機の構築と性能向上に効果的である.
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